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#147

数寄屋の極み 隅田川の料亭建築 ~東京・向島に遺る「割烹 美家古」~

今回は東京「向島」を訪ねます。向島は江戸時代、将軍吉宗が隅田川沿いに桜を植えたことにより、庶民の行楽地として賑わいを見せます。その名残を留める場所が向島百花園。江戸後期に風流人が造り上げました。今も多くの人が訪れるこの庭園の敷地は、江戸当時とほとんど変わっていません。まずは向島百花園で歴史を振り返ったあと、いよいよお目当ての料亭「割烹 美家古」へ。名物の「桜もち」や「言問団子」の脇を通り過ぎると、やがてビルの合間に粋な風情の日本家屋が見えてきます。こちらが今回訪ねる美家古です。前庭の棕櫚竹と庭石に導かれるまま料亭内部に入ると、そこには目を見張るほどの数寄屋の世界が広がります。聚楽壁が施された玄関の天井は、巨大な神代杉を用いた船底天井。桜の面皮柱の下には、天然木を輪切りにした腰板。袖壁の中柱には自然の曲がり具合を生かした竹をあしらえるなど、その独創性に驚かされます。玄関をあがるといきなり現れるのは中庭。周囲の廊下には太鼓橋が架かり、ガラス戸の桟は氷割れ紋様という凝りようです。数寄屋大工と左官職人の高度な技術と遊び心がふんだんに盛り込まれた美家古は、花街向島に遺された数寄屋建築の傑作です。

取材先情報

割烹 美家古 向島本店
東京都墨田区向島五 丁目3番5号 TEL:03-3622-3850
※完全ご予約制になります。
 交通:東武スカイツリーライン – 浅草駅より徒歩12分
都営浅草線 – 本所吾妻橋駅より徒歩12分
東京メトロ銀座線 – 浅草駅より徒歩15分
※年4回 美家古の懐石料理と数寄屋建築に興味のある方を対象に
「遊楽会」を開催しています。詳しくは美家古までお問い合わせください。
(人数制限に達し次第 締め切ります)

向島百花園
東京都墨田区東向島3-18-3
TEL:03-3611-8705(向島百花園サービスセンター)
開園時間:午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで)
※イベント開催期間などで時間延長が行われる場合もあります。
休園日:年末・年始(12月29日~翌年1月3日まで)
  ※12月29日~翌年1月3日は隅田川七福神めぐりのため一部公開しています。
入園料:一般 150円、65歳以上 70円
(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)
※身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳または
療育手帳持参の方と付添の方は無料
※無料公開日 みどりの日(5月4日)、都民の日(10月1日)
交通:東武スカイツリーライン「東向島」下車 徒歩約8分
京成電鉄押上線「京成曳舟」下車 徒歩約13分
都営バス 亀戸-日暮里(里22)「百花園前」下車 徒歩約2~3分
※駐車場はございません

長命寺桜もち
東京都墨田区向島5-1-14 TEL:03-3622-3266
営業時間:8:30~18:00(年始営業により営業時間が前後する場合があります)
定休日:毎週月曜日
(お休みの日がかわることもありますのでホームページでご確認ください)

向島 言問団子
東京都墨田区向島5-5-22 TEL:03-3622-0081
営業時間:午前9時00分~午後6時
定休日:休日毎週火曜日
※販売する商品がなくなった場合、定時の営業終了時間より早く
閉店する場合があります。

※上記以外の情報については、公開出来ません。