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#167

新旧織りなす逗子の海浜別荘
~旧脇村邸と長島家住宅~

今回の旅は神奈川県の逗子市。逗子を始めとした湘南地方の沿岸部は、明治以降皇室をはじめ政財界人や文人達の別荘地として愛されてきました。そんな逗子の中から2軒の別荘を紹介します。最初に訪れるのは昭和9年に建てられた「旧脇村邸」。建て主は、実業家の妻で歌人でもある藤瀬秀子氏で、隠居所として使用しました。その後昭和34年に、著名な経済学者である脇村義太郎氏が購入して終の棲家としています。平成19年に逗子市が取得し、現在公園の一部として外観のみを公開しています。目を惹くのはそのデザイン。洋風とも和風ともとれる造形は、“折衷”というよりむしろ“ハイブリッド”と表現した方が的確かもしれません。特にリビング兼食堂は、完全な洋間を高度な数寄屋の技で仕上げたというような、独創的な造りとなっていました。2軒目は、明治33年に建てられた長島家住宅。建築家の長島孝一氏が、現在も夫婦でお住まいです。奥様はイギリス生まれのキャサリンさん。祖父の時代から続く伝統的日本家屋で暮らしながら、かつての別荘邸宅文化を守り続ける長島夫妻に、その思いを伺います。昭和と明治の新旧2軒の別荘には、逗子の歴史と文化が詰まっていました。

取材先情報

旧脇村邸
神奈川県逗子市桜山8丁目2241(蘆花記念公園内)
TEL:046-873-1111(逗子市環境都市部緑政課)
※内部は非公開です。外観のみ見学ができます。

長島孝一家住宅
神奈川県逗子市
※個人宅のため非公開です。

※上記以外の情報については、公開出来ません。