住友化学スペシャル アフリカを救え!ニッポンの蚊帳 ~子供たちの未来へ向けて~ 2010年7月18日(日)夜10時~10時55分 放送

タンザニアで今、大きな注目を浴びている日本独自の製品がある。それは「蚊帳」だ。WHO(世界保健機関)が、タンザニアをはじめ世界各国で年間数100万人もの命を奪っているマラリアを有効に防ぐための切り札として、日本の化学メーカーが開発した蚊帳「オリセットネット」の使用を推奨しているのだ。練りこまれた殺虫剤が時間をかけて均等に染み出す、という仕組みで5年以上も効果が長続きするこの蚊帳が広く使われるようになって以来、ここタンザニではアマラリア感染者数は確実に減少し、幼い子供たちの命が救われつつある。

だが、このオリセットネットの製造事業のポイントは、日本企業が商品を輸出するのではなく、技術を供与して現地で合弁会社を設立した、という点にある。国民人口の80%が現金収入のほとんど無い農民で、国自体が『最貧国』に位置付けられるタンザニアに大量の雇用機会を創出したのだ。多くの福利厚生施設が併設された工場では二交代制で7千人もの従業員が勤務し、年間約2千9百万張のオリセットネットが生産されてアフリカ各国へと輸出されている。この会社で働き出し3年目の若き女性は『田舎に小さな美容院を建てた。』と誇らしげに語り、元農民の男性社員は『ここが自分を成長させるし、家族を支えてくれる。』と熱く語った。まさにオリセットネットは、タンザニアの経済・国民生活を貧困という枷から浮上させるひとつのシンボルとなっているのだ。さらにこのオリセットネット製造事業は売上の一部を寄付して付近の小学校に校舎や教員住宅を建設し、教育環境の充実にも大きく貢献している。子供たちに豊かな未来を担保することこそ持続的な社会貢献の理想なのである。

番組は、オリセットネットの目線で平泉成が、知られざるタンザニアの国情を近藤サトに語りながら、タンザニアという異国へ受け渡された日本の技術と智恵はどのように現地社会への援助となっているのか。アフリカ支援の新しいカタチを考えてゆく。

語り

平泉成近藤サト