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江戸表具

古き良き時代の熟練職人による“ものづくり”にフォーカスを当て、今と和えるライフスタイルを提案する番組第42回目は、「江戸表具」の世界へご案内します。掛け軸の作品等を際立たせる表装として、発展してきた「江戸表具」。小粋な色や模様が特徴的なこの表具は今、女性を中心にインテリアとしても人気を呼んでいます。そんな江戸表具の歴史とは。
 今回密着したのは、東京の東上野にある360年以上の歴史を誇る老舗。京都の本願寺、浅草の本龍寺など、由緒あるお寺の表具も手掛けた、15代も続く江戸表具の専門店です。主役である掛け軸の本紙を彩るため、「裂地(きれじ)」といわれる布を約300種類以上もの西陣織の中から選定します。選ばれた裂地は、職人の繊細な刷毛さばきにより糊付けされ、主役である本紙の上下を飾る「一文字(いちもんじ)」や本紙全体を覆う「中廻し(ちゅうまわし)」など様々な部分となって、掛け軸を彩ります。特に中廻しの貼り付け作業は、職人の腕の見せ所。裂地が重なり合う部分の柄を、慎重にピッタリと合わせていきます。これぞまさしく、名工のなせる技。さらに裂地が剥がれることの無いよう、金槌で糊付け箇所を叩くなど、まだまだ作業工程は続きます。一つ一つに繊細な手さばきが要求される表具づくりは圧巻。
 古くから日本の暮らしを彩ってきた江戸表具。今回は、そんな書画を煌びやかに装飾するという江戸表具で、粋な仕掛けが楽しいニュークラフツを番組で考案。思わず手に取ってみたくなる逸品です。