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ストーリー

世界のランドマーク その裏側に迫る!
シドニー・交通の要所 ハーバーブリッジ

オーストラリアが世界に誇る「ハーバーブリッジ」はシドニーの交通機関としても欠かせない存在。毎週500万もの人々が、通勤のためこの橋を利用する。建設から80年が経過したこの交通の要所に、大規模な補修工事が行なわれることになった。工事期間はたったの10ヵ月。なんとしても期限に間に合わせなければならないというプレッシャーの中で、さまざまな問題に直面する技術者たちに密着する。

1932年に開通したハーバーブリッジは、8車線の車道と複数の鉄道線路が走る交通の要所。シドニー市民の足ともいえるこの橋を工事するには、入念な作業プランを立てなければならない。
まず作業に取りかかったのは塗装チーム。塗装をする前に、まずは毒性の強い古いペンキを剥がすことから始まった。橋の下に広がる海を汚染しないよう密閉された作業場を設置し、作業員は呼吸装置付きの特製スーツを着用する。
一方、交通管制室は新しい拠点への移転準備に追われていた。橋の上では、日々さまざまな事故が発生する。最も多いのは追突事故だという。観光目的で橋を渡る車両も多いため、景色に目を奪われ注意力が散漫になってしまうのだ。救急車の手配や事故のニュースを流すのも管制室の仕事。シドニーの交通が混乱しないよう、常に目を光らせている。
また補修工事と同時進行で、あるイベントが計画されていた。それは、橋に芝生を敷き詰め、市民を集めてて皆で朝食をとろうという壮大な計画。題して「ブリッジで朝食を」。ところがこの一大ピクニックイベントの開催まで残り1カ月を切ったとき問題が発生する。塗装作業が遅れ気味になっているうえ、整備中の線路に破損した枕木が発見されたのだ。さらに、強風が塗装チームを悩ませる。幸い風は収まり、なんとか期限内に終了する目処が立ってきたころ、管制室の移転も無事に終了。残すはイベントの準備のみとなった。
「ブリッジで朝食を」当日。イベントには6000人が来場。朝5時に到着した芝生が橋の上に敷き詰められる。仮設トイレやゴミ箱なども設置し、イベントスタッフは笑顔で来場者を迎えることができた。イベントに参加した人々は「ハーバーブリッジはシドニーの顔」「世界に誇れる建造物」と、新しく生まれ変わったこの橋をほめ称えた。