BBC地球伝説

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ストーリー

ヒューマン・ジャーニー ~遥(はる)かなる人類の旅~
始まりの地 アフリカ

この地球上には、現在70億人にもおよぶ人間が暮らしている。
なぜ、私たち人類だけがここまでの成功を収めることができたのか。
人類の祖先は一体どこから現れ、どのように世界に広がっていたったのか… この人類最大の謎を最先端の技術によって検証するシリーズ。

今回は、人類発祥の地とされるアフリカを訪ねる。
人類発祥の地は東アフリカだとされ、400万年前にはすでに初期の人類が現れていたと考えられている。その後も人類は進化を続け、私たちは枝分かれした人類の中で最も新しい種ホモ・サピエンス(現生人類)と呼ばれる。
今までに発見されているホモ・サピエンス中ではもっとも古い19万5千年前の頭蓋骨の化石がエチオピア南部を流れるオモ川流域から発見されている。
人類と他の動物を区別するもの、それは芸術・音楽・言語・宗教・計画をする能力・恋愛をする能力などだ。オモ川から5千キロ南、南アフリカのピナクルポイントには、16万5千年前のものと思われる居住跡がある。そこからは、石器や狩猟の道具、海貝の貝殻などが発見されている。貝を食料にしていたということは、潮の満ち引き等を予測するなどの証拠でもあり、人類の特徴である「計画性」がうかがえる。
 最近は遺伝子解析の技術が進み、人類の進化をさかのぼることが可能になってきた。その結果、現生人類は全員、10万年以上前にアフリカに住んでいた"1人の女性の子孫"であることが分かっている。
では、アフリカで生まれた現生人類はどうやってアフリカを出て、世界中へ広まっていったのだろうか。アフリカは三方を海で囲まれた大陸であり、おそらく私たちの子孫は唯一の陸路、北部のサハラ砂漠地帯を抜け、アラビア半島へ向かって脱出したと思われる。
「気候モデリング」を使って、その脱出ルートを探したところ、私たちの祖先は約7万年前に、アフリカ大陸とアラビア半島が最も接近する場所、紅海の「嘆きの門」と呼ばれる場所を通ってアラビア半島へ抜け出たらしい。そしてここから人類は世界中へと散らばっていったということを考察する。