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ストーリー

古代エジプトの至宝~歴史を刻む美しき遺産~
2 華やかなる時代

古代エジプトの芸術を紹介しながら、その歴史をたどるシリーズの第2回。黄金期と呼ばれる華やかな作品が数多く作られた時代をひもとく。
エジプトはより強い国へと発展し、王たちはより大きな権力を持つようになっていった。彼らは、自らの力を誇るように美しい彫像や壮大な建築を次々に作らせていく。こうして、芸術はさらなる高みへと上っていった。
紀元前2000年ごろに始まった中王国時代。暴君と呼ばれたセンウセルト3世が娘に送ったペンダントは、ターコイズや金などの宝石が使われていて驚くほど美しい外観をしている。その一方で、描かれていたのは敵と戦う勇壮な場面だった。
センウセルト3世の死後、古代エジプトを治めていた王の力は次第に弱くなり、中王国時代の後期には混乱が続く。そして、紀元前1500年ごろより新王国時代に入る。この時代に王となった女性、ハトシェプストは、首都であるテーベの街に寺院や、オベリスクと呼ばれる巨大な角柱を建築していく。
しかし、紀元前1350年ごろにアメンホテプ4世が王位につくと時代は一変する。彼は首都テーベを離れ、新たな都市を現在のアマルナに築いた。体型や顔のパーツが不自然に表現された彫像や、王家の一家団らんの様子を描いたレリーフなどにこの時代特有の表現が見ることができる。
アメンホテプ4世の死後、王位についたのが彼の息子ツタンカーメンである。若干9歳にして王位につき、19歳でその生涯を終えた若き王のために黄金のマスクが作られた。その豪華な装飾は、当時の職人たちの技術の結晶ともいえるものだった。
頂点へと達した、エジプトの芸術。偉大な王たちが残した壮大な遺産に迫る。