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ストーリー

未知なるナイルの旅
第1回 古代エジプトの神々

ギリシャの歴史家・ヘロドトスが残した「エジプトはナイルの賜物」という言葉は、ナイルという大河の存在が、われわれ人類にとって、いかに大きいかを象徴している。人類は数千年にわたってナイル川の恵みを受けてきたにも関わらず、その全体像を知らなかった。灼熱の砂漠の中にあって、どうして川の水は乾かないのか。毎年決まった時期に洪水が起きるのはなぜなのか。いったいどこからその大量の水はきているのか。
「未知なるナイルの旅」では、ナビゲーターに石原良純を起用。シリーズを通して、地上と空の両方から、ナイル川を源流にまで遡ってその豊かな恵みを伝え、謎を解明していく。
第1部では、ナイル川の恵みに支えられた古代エジプト文明と神々の物語。第2部では、毎年決まった時期に起こる大洪水の謎を追って、アフリカ大陸を南下する。そして第3部では、人生を賭けてナイル川の謎の解明に挑んだ探検家たちを描く。すべてを見れば、ナイルという言葉にロマンを感じずにはいられないはずだ。

『未知なるナイルの旅』第1部は、ナイル川の一年を通して、人間、動物、そして神々の世界を圧倒的な映像美、そして迫力ある音楽で描き出す。古代エジプト世界とそれを取り囲む砂漠地帯の対比から、ナイル川流域がいかに緑溢れる豊かな楽園であったかが伺える。また、動物たちの鮮烈な映像が、神々が生まれた背景に説得力を与える。が、圧巻は何といってもナイル川の氾濫。息を呑むほど迫力ある映像に、ナイル川の限りない恵みを感じ取ることができるはずだ。

ナイル川と聞いて、真っ先に何を思い浮かべるだろうか。"世界一長い川"というだけだろうか。ナイル川の魅力は世界最長ということにとどまらない。ナイル川は、毎年夏になると大洪水を引き起こし、エジプトの地に氾濫する。古代エジプトの人々は、この氾濫を災害ではなく、神々の恵みだと考えていた。ナイル川の氾濫が、砂漠に囲まれたエジプトの大地に水をもたらし、楽園を作り出していたからだ。古代エジプト文明がこの地に築かれたのも、ナイル川の恵みがあったからこそ。古代エジプトの人々は、ナイル川がなぜ毎年氾濫するのか、その理由を知ることはなかったが、自分たちがナイル川の恵みによって生きていることを強く感じ、偉大なるナイル川から数多くの神々を生み出した。『未知なるナイルの旅』第1部では、今から3500年前、新王国時代を舞台に、ナイル川の一年を通して、ナイルに生きる人間、動物、そして神々の世界をドラマチックに描いていく。