BBC地球伝説

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ストーリー

神秘の太陽系 Episode4 惑星の運命

物理学者ブライアン・コックス教授が、太陽系の様々な謎に迫る全5回シリーズ。太陽系はどのようにして生まれたのか?太陽系に存在する惑星や衛星では、今何が起きているのか?ブライアンが世界各地を訪れ、地球と他の惑星を比較しながら太陽系の神秘を解き明かす。
第4夜は、惑星が生き続けるために必要な条件について考える。さらに、太陽系のほとんどの星で火山活動が停止している中で、木星の衛星イオだけが活発に火山活動を繰り返している理由を解明する。

ブライアン・コックス教授が最初に訪れたのは、アリゾナ州のグランド・キャニオン。このコロラド川がつくり出したグランド・キャニオンの地形と、火星に存在する谷は酷似している。地球と火星の火山を比較するため、次にハワイへと向かった。
マウナケア山は、ハワイ諸島で最も高い火山であるが、火星のオリンポス山とは全く比較にならない。オリンポス山の高度は2万5千メートル、マウナケア山の3倍である。しかし、火星では、現在、火山活動は起きていない。ブライアンは地球と比較しながら、その理由を説明する。
金星には、太陽系で最多の5万を越える火山が存在している。ブライアンは、地球と金星の火山活動を比較するため、インドのデカン高原を訪れた。
6500万年前のインドでは、生物を大量に絶滅させた大規模な噴火が起きた。しかし、雨によって二酸化炭素や有毒なガスが洗い流され、生命は復活した。一方、金星は太陽に近く、高温で水がないため、雨が降ることはない。そのため何十億年もの間、火山ガスが蓄積され続けていった。地球は、大きさも気温も全てがちょうど良い状態にあり、そのおかげで生命が存在できるのだ。さらに、ブライアンは惑星の生と死を左右し、宇宙をまとめている力は「重力」だと語る。あらゆる物体間に存在する自然の力・重力は、太陽系の全てに影響する唯一の力である。太陽系最大の惑星である木星は、強力な重力を持っている。それは、隕石を地球に衝突させるほどの強い力だ。ブライアンは、アメリカ・アリゾナ州にある巨大な隕石のクレーター、バリンジャー・クレーターと、クレーターの中にある町、ケンタッキー州ミドルズボロを紹介する。
そもそも、人類が宇宙に興味を持ったきっかけは月である。満ち欠けを繰り返す月を見上げ、人間は宇宙への興味を抱いたのだ。やがて人類は、太陽系には月と同じような衛星が数多く存在することを認識。ガリレオは、木星の衛星を発見した。ギリシャ神話に登場する女性の名がつけられた4つの衛星のうち、イオは地球以外の星で初めて活火山が確認され、注目を集めた。
ブライアンは、イオの火山のイメージに近いと考えられるアフリカ・エチオピアの溶岩湖エルタ・アレを訪れ、イオの研究を続けるアシュレー・デービス博士に話を聞く。そして、木星や他の衛星の重力によってイオの形がゆがみ、それが熱を発生させ火山活動の源となっているのだと推測する。