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ストーリー

最新科学でよみがえる恐竜たち

各地のイベントや博物館で開催される「恐竜展」。そこに展示される恐竜の模型は、どうやって造られるのだろう。かつては単に骨格を並べて展示するだけだった恐竜展も、最近ではその恐竜がどんな環境の中で、どんな暮らしをしていたのかまで体感できる展示になってきている。
実は、そうした展示を完成させるためには、驚くほどたくさんの専門家たちが、絶え間ない努力をしている。例えば、展示技術者は常に最新情報を取り入れ、恐竜の本当の姿を再現することに力を注ぐ。また、美術担当者は、恐竜たちの生き生きとした表情や動きを見せるために、模型の各部分を数ミリ単位で動かして調整をする。多くの来場者でにぎわう恐竜展の裏側には、そうした人たちの熱意と努力があるのだ。
番組では、ロサンゼルスにある博物館の新たな恐竜展示の制作作業に密着。ほんの小さな化石のかけらから、今にも動き出しそうな展示模型に仕上げるまでを詳しく紹介する。そこには、恐竜展示に関わる人々の熱いドラマがあった。

遠い昔に滅びた恐竜たちの姿を、現代によみがえらせる復元骨格や模型。それらが私たちの目に届くまでには、一体どのようなことが行われているのか? 解剖学のスペシャリスト、アリス・ロバーツ博士が、新しい恐竜展示の準備で忙しいロサンゼルス郡立自然史博物館に潜入し、骨の化石が巨大な模型に生まれ変わるまでに密着する。
恐竜の展示を成功させるための要素は2つ。専門家を納得させる正確さと、来場者を楽しませる美しさである。今回の目玉はなんといってもティラノサウルスの成長を追う展示。年齢がそれぞれ違う3体の復元骨格を並べ、どのように子どもから大人になっていったのかを見せるというものだ。さらに、ニワトリほどの大きさで、北米最小といわれるフルータデンスという恐竜の生き生きとした姿を、最新の研究結果をもとに復元した模型にも注目が集まる。
普段目にする恐竜の骨格は、骨が全てそろっていて、完璧に組み立てられているように見える。しかし、そこまでたどり着くためには、たくさんのスタッフとさまざまな作業が必要になる。なぜなら恐竜の骨格が完全な状態で出土することは、ほとんどないからだ。また、復元模型も完成までには想像力と研究の成果を基本とした推測が必要となる。皮膚の質感や体の色など、化石からでは解き明かせない要素がたくさんある。
実際に発掘された化石から、どのようにして恐竜の生き生きとした姿を伝え、魅力的な展示ポーズを決めるのか? どのようにして完全な復元骨格や模型を作り出していくのか? その知られざる舞台裏に迫り、展示へと並々ならぬ情熱を傾ける研究者たちの思いや、技術者たちの知恵にスポットをあて、恐竜展示が完成するまでの熱いドラマを追う。