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ストーリー

動物たちの驚くべき能力に迫る! 1 五感の発達

地球上には優れた感覚、知能、思考回路を持つ動物たちがいる。そんな驚くべき能力を新たな調査や研究を通して解き明かしていくシリーズ。第1回は動物たちの"感覚"を検証する。イヌは鋭い嗅覚を使い、湖の底に沈んだ缶入りの肉を船上から探し当てる。イルカは音波を発し物体に当て、跳ね返ってきた音波を優れた聴覚で捉えて物体の位置を知ることができる。鳥は約300度の視界から入る膨大な情報を小さな脳で処理し、天敵や衝突の危険を避けている。サメは人間が持つ五感以外の能力を備え、微弱な電圧を感知し獲物を見つけ出すという。さらにイヌとオオカミを比較すると、イヌは人間と暮らすために、生後まもなく耳や目など嗅覚以外の感覚も柔軟に使えるよう進化していた。こうしてみると、彼らは生き残るために環境に応じて必要な感覚を進化させる特性を持つことが分かる。動物たちの優れた能力が、さまざまな実験により明らかになっていく。

動物たちの驚くべき能力を解明するシリーズの第1回。番組ナビゲーターの動物学者クリス・パッカムとともに動物たちの"感覚"を検証し、その思考を探っていく。まずは優れた嗅覚を持つイヌ。風雨が激しい湖にイヌを乗せて船を出し、船上から湖の底に沈めた缶入りの豚肉を探させると、水深6メートルにある缶の位置を見事に嗅ぎ当てた。イヌは鼻の内部の構造や機能が発達しており、匂いのする方向を正確に探知できるのだ。鋭い聴覚のイルカは、自ら音波を発し、跳ね返ってきた音波を聞き取って物体を把握する"エコーロケーション"という能力を持っているという。
また、鳥も驚くべき能力を備えている。約300度の視界から入る膨大な情報を小さな脳で処理し、天敵や衝突の危険を避けながら速度をコントロールして飛ぶのだ。ムクドリを使った実験でその能力を検証する。
さらには「動物は生き残るために、環境に応じて感覚を進化させる」という特性をオオカミとイヌで検証する。同じ祖先を持つとされるオオカミとイヌだが、イヌは目から入った情報を優先し、オオカミは匂いを優先させることが分かった。イヌは、人間との暮らしのために、生後まもなく目と鼻と耳などの感覚を柔軟に使えるように進化していったが、野生で暮らすオオカミは、まず嗅覚だけを使うという元来の特性を保っていた。
最後は、人間は持ち合わせていない五感以外の能力を持つサメが登場。サメは非常に微弱な電圧を感知して獲物を見つけ出すという。その能力を確かめるため、エサを磁石の上にのせてサメを誘い出す実験を試みる。果たして、サメは食欲を満たすことができるのだろうか? さまざまな実験を通して、動物が驚くほど洗練された感覚を使っていることが分かった。これはすべての動物にとって、重要な個性なのだ。