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ストーリー

サハラの旅~100日間の砂漠紀行 3 キャラバンの道

イギリスの人気コメディー番組「モンティ・パイソン」のメンバー、マイケル・ペイリンがサハラ一周を目指すシリーズ第3夜の見どころは、何といっても砂漠を生きる遊牧民たちの生活だ。前半に出てくるのは、ラクダを悠々と乗りこなし、砂漠を移動して暮らすウダベ族。化粧をして踊る男性たちと、自分の気に入った男性をその中から選ぶ女性たちの様子がおもしろい。砂漠の遊牧民たちが一年に一度だけ集まる祭り"キュア・サレ"でも、着飾った男性たちが踊りを披露し、遊牧民たちの大切な出会いの場となっている。ペイリンは、キュア・サレでトゥアレグ族のグループと出会い、塩を運ぶキャラバン隊に同行することになった。
番組の後半は、トゥアレグ族のキャラバン隊と共に砂漠を歩くペイリンの旅を追う。規則正しく進むキャラバン隊の旅の様子が、まさに一面砂に覆われた砂漠の風景と共に堪能できる。灼熱の昼間の暑さを避けるため、朝や夕方に出発する一方、気温の下がる夜は焚き火を囲んで夕食をとる。めったに見ることのできないキャラバン隊の生活は必見である。

マリ、セネガルを東へ進み砂漠の町・ティンブクトゥまでやってきたペイリン。ヨーロッパの探検家たちが夢に見た伝説の都市・ティンブクトゥは、すでに過去の幻想となっていた。過去の繁栄をうっすらと蘇らせてくれるのが、町の中心にある泥のモスク。マリ帝国全盛期の王マンサ・ムーアに捧げられたものである。モスクでの礼拝を終えたイスラム教の指導者に招かれ、ペイリンは彼の自宅を訪れる。過去の栄光を物語る古い文書を見せてもらいながら、ペイリンはかつてティンブクトゥが学問の一大中心地であったことを知る。
ティンブクトゥを後にしたペイリンは、サハラ砂漠を東へ進む。そこには砂漠を移動して生活する遊牧民たちの暮らしがあった。ペイリンは、遊牧民であるウダベ族とともに、ティンブクトゥの東、インガルを目指す。砂漠の遊牧民たちは年に一度、"キュア・サレ"という祭りのためにインガルに集まってくるのだ。キュア・サレの祭りでは、スポーツ大会、踊り、露店に家畜の展示会など何でもありだが、中でも一番の見ものがウダベ族による"ゲレウォル"という踊りである。化粧した男性たちが、女性たちの前で踊るのだ。年に一度の貴重な出会いの場であるキュア・サレで、ペイリンにも幸運な出会いが訪れた。あるトゥアレグ族のグループが、塩を運ぶキャラバン隊に彼を同行させてくれるというのだ。ペイリンはさっそく、キャラバンが塩田に向けて出発する地・タベロットへと移動する。そして、30頭のラクダと9人のトゥアレグ族とともに、砂漠のもっとも荒涼たる一角を行くことになった。灼熱の砂漠をキャラバン隊と歩き、寝食をともにしたペイリン。砂漠という厳しい環境の中で生きる人々との出会いによって、ペイリンは周りの環境に敬意を払って生きることを学ぶのである。