世界の名画 ~美の殿堂への招待~

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ストーリー

ルネサンス最後の輝き ミラノ ブレラ絵画館

番組名

イタリアロンバルディア州にあるミラノは、デザインやファッションの情報発信基地となっている芸術の都です。この土地に佇むブレラ絵画館は、美術館とともに絵画学校を併設した珍しい美術館。名画に囲まれて絵を学ぶ贅沢な環境は世界でもあまりなく、世界中から多くの学生が絵画を学びに集まっています。
ブレラ絵画館のコレクションのもとになっているのは、あの皇帝ナポレオンが集めたイタリアルネサンスのコレクションです。ナポレオンの統治時代、イタリア侵攻の拠点であったミラノを「芸術都市として栄えさせたい」というナポレオンの想いによって、イタリアの名画がここミラノに集められました。
ブレラ絵画館の顔とも言えるマンティーニャの「死せるキリスト」をはじめ、ブラマンテやフランチェスカ、なかには初期ルネサンスの巨匠、ローレンツェッティやファブリアーノの作品も。そしてブレラ絵画館でもっとも華やかな表情で観客を迎えるのが、ルネサンス後期におこったヴェネツィア派のコレクションです。ヴェネツィア派の巨匠、ティッツィアーノや、現代アートのように美しいクリベッリなど、のびやかなで明るい作風の数々に、ルネッサンス期の最後の輝きを見ることができます。
そしてヴェネツィア派といえば見逃せないのが、ヴェネツィア派の画家ベッリーニの初期を代表する作品「ピエタ」。現在この「ピエタ」は修復作業中であり、その貴重な作業風景をカメラに収めることができました。絵画の歴史において修復は極めて重要な作業。方法や修復への想いなどを、美術学校で講師を務める先生の声で紹介します。
そしてブレラ絵画館が「イタリアからは出さない」とまで公言し、大切にしている一枚がアイエツの「接吻」です。アイエツはイタリアがもっとも愛する画家。しかも併設の美術学校で校長を務めたことがあるほど当美術館と縁の深い画家でもあります。「接吻」に描かれた男女の心情、そして時代背景をひもとくとともに、アイエツが愛したブレラ絵画館の"今"を紹介します。