中国神秘紀行

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作品内容

1千年の歴史が育む 豊かなる山水の郷 婺源 ~江西省~

今回は中国の南東部の江西省(こうせいしょう)を旅します。長江中流域の南部にあたる江西省は自然が豊かに残り中国独特の山水の世界が広がる所。
中でも江西省の北部に位置する婺源(ぶげん)は、およそ1000年の歴史を持つ村々が点在し、昔ながらの人々の暮らしが残っているのが特徴です。

点在する村には婺源徽派建築(ぶげんきはけんちく)と呼ばれる江西省独特の様式を構えた家並みが残ります。家々の多くがおよそ200~300年の歴史があり黒の屋根瓦に白い漆喰が塗られ、黒と白のコントラストが美しい光景が広がっています。この地域の人々は、家々の歴史の古さに呼応するかのように伝統的で保守的な暮らしをしています。その様相は、日本に例えるなら昔の農村の暮らしを思わせるような懐かしさと人々の温かさに溢れているのです。中国江西省の伝統的な庶民の暮らしの魅力を見つめて行きます。

婺源の村を訪ねると、美しい河が流れ人々はゆったりとした時の流れの中で暮らしています。冬ともなれば、屋外で欠かせないものがあるのです。木で作られた円筒形の筒です。一体、何の為に使うのでしょうか?
村の中の通りに足を向けると、高い壁に大きなうだつが家々にある事に気づきます。高い壁は盗難防止、うだつは火災の延焼防止のためです。
婺源徽派建築と称されその住居の素晴らしさが知れわたった理由のひとつに家に施された細微で美しい彫刻にあります。施された彫刻には、代々その家に受け継がれてきた願いや思いが託されているのだそうです。彫刻の美と共に人々の思いを見つめて行きます。

伝統的なのは住居だけではありません。暮らしの基本でもある「食」の世界にもあるのです。地元の食材を使った婺源の伝統料理をご紹介して行きます。
丹念に手をかけて作られた料理は、人々の暮らしの知恵が練り込まれ健康と美味しさを兼ねた懐かしい味を覚えるものばかりです。餅や特製のギョーザなど、どこか日本人の味覚と共通するものが登場します。

そして婺源には、中国でも有名な伝統工芸があります。「龍尾硯(りゅうびけん)」と呼ばれる硯です。1000年以上の歴史を持つと言われ、その繊細で美しい彫刻は硯の一級品として詠われ中国四大名硯のひとつです。婺硯制作の職人が数多く暮らす村を訪ねます。ところが、そこでは大変な事が起こっていました。硯の値段が急騰しているのだそうです。一体、何が起こっているのでしょうか。どうやら硯の原石をめぐる事件が起きたようです。

美しき山水の里に広がる、江西省婺源の暮らし。そこには、日本人もかつて感じた懐かしさがいっぱい詰まっています。人々の暮らしを通して庶民の自然な姿が見えてきます。

初回放送:2010年3月4日