中国神秘紀行

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作品内容

悠久の万里の長城 栄華に彩られた歴史を追う ~河北省~

今回は中国が誇る世界文化遺産、万里の長城の旅です。河北省には南北に延びる長城が残っています。古いものは約2000年前の長城も残っており、歴史を感じさせます。長城は北方の騎馬民族の侵入を防ぐのが最大の目的でした。そして長城が築かれた土地では幾度なく戦乱と平和が繰り返されました。そこにはいくつもの栄華に彩られた歴史があるのです。今も残る栄華を求め、河北省の南北に連なる万里の長城を旅します。
北京の北西約220キロに位置する宣化(せんか)の町は河北省の北端にあたり、まるで要塞のように強固な壁に守られています。この宣化で近年驚くべき発見がありました。町の周辺から約800年前のものとされる数多くの墓が見つかったのです。墓の中には、とても800年前のものとは思えないほど鮮やかな色彩で描かれた壁画があり、その壁画に描かれた人物はとても変わった髪型をしていました。また木で作られた人型の棺桶など、実に興味深い埋葬品が見つかりました。一体、この墓と長城にはいかなる関係があるのでしょう?
次に向かった蔚県(うつけん)には長城にちなんだ勇壮な祭りがあります。700年あまりの歴史を持つというその祭りは「打樹花(ダースーファ)祭り」と呼ばれ、なんと1000度の高温で溶かした鉄をばらまくというものです。長城の城壁に向かって溶けた鉄を天高くまき散らします。一体、なぜこのような祭りが誕生したのでしょう?その謎に迫ります。
河北省の長城をさらに南へ下ると、万里の長城の復元作業を行なっている場所があります。長城を復元する材料は周辺の山々から切り出してきた石です。その同じ山で採れた石があるものへと生まれ変わり、人気を呼んでいるといいます。それは硯(すずり)です。どんな硯なんでしょう?世界最大と言われている硯も登場します。
長城の内側の山には漢王朝時代の墓があります。この墓は中国王朝の歴史でも特に有名で、埋葬された人物が2498個の玉(ぎょく)で覆われているのが特徴です。まさに当時の支配者の栄華を極めた埋葬の形式なのです。この墓に埋葬された人物は、三国志の劉備の祖先にあたる人物と言われています。 
三国志の英雄伝説が残る町があります。正定(せいてい)です。ここは三国志で勇猛果敢な武将として活躍した趙雲(ちょううん)の故郷なのです。町には趙雲太鼓部隊なる伝統を守る人々がいます。三国志と太鼓にはいかなる関係があるのでしょうか?
万里の長城は、今も中国の大地に立ち続けています。そこには様々な栄華に彩られた歴史があり、その魅力は旅人を引きつけてやみません。

初回放送:2011年3月11日