ディーン・フジオカ 初のイギリス旅 美しき湖水地方 ピーターラビットの世界を訪ねる

ディーン・フジオカ 初のイギリス旅 美しき湖水地方 ピーターラビットの世界を訪ねる

お知らせ

【放送日時】
2016年8月27日(土) 午後1:00~1:30放送

・ピーターラビット展 詳細はこちら!

番組概要

いまをときめくディーン・フジオカの、初のイギリス紀行番組!世界中で愛される絵本の名作「ピーターラビット」の故郷・イギリス湖水地方を訪れ、作者ビアトリクス・ポターの足跡をたどる様子に密着。うさぎのピーターとその仲間たちはいかに生み出されたのか? ポターの波乱に満ちた人生と、いまの私たちに残してくれたものとは?

俳優・アーティスト・映画監督として活躍中のディーン・フジオカが2016年春、超多忙のスケジュールの合間を縫うようにして訪れたのが、イギリス・カンブリア州の湖水地方。そのほぼ全域が国立公園に指定されているというほどの雄大な美しい自然が広がるこの地は、イギリスのみならず、世界中の人々を魅了してやみません。また、ここから芸術をはじめ数々の名作が生み出されました。18世紀の詩人ウィリアム・ワーズワースはこの地をこよなく愛し、創作した詩をいまに数多く残しています。そして、なかでも世界でもっとも知られる作品といえば、うさぎのピーターを主役にした物語絵本「ピーターラビット」のシリーズでしょう。

作者のビアトリクス・ポターは1866年にロンドンで裕福な家庭に生まれました。幼少期から動物や植物のスケッチを好んでいましたが、16歳のときに家族と避暑で訪れた湖水地方の豊かな自然に出会い、生涯魅了され続けました。また、ここで出会った牧師に薦められたことがキッカケとなり、絵の才能を生かして生きていくことを考えたのです。
転機は27歳のときに訪れます。彼女は病床に伏せていた知人の子どもを励まそうと一通の絵手紙を書きます。それは4匹の小うさぎのお話でした。そしてこれを絵本として出版できないだろうかと考え、1901年、36歳にして自費で私家版『ピーターラビットのおはなし』を刊行しました。そしてこれがきっかけとなり、ロンドンの大手出版社から美しい装丁を施した絵本として発売されることになったのです。瞬く間にベストセラーとなり、一躍絵本作家としての地位を得たビアトリクス・ポターは、次々と自然豊かな湖水地方の田園を舞台にした動物たちが繰り広げるのどかでユーモラスな作品を生み出していきます。また、彼女はこの出版を通じて知り合ったノーマン・ウォーンと婚約し、明るく輝きに満ちた人生が目前に開かれていたはずでした。しかし、そんな彼女に悲劇が襲います。ノーマンが急性白血病で帰らぬ人となってしまったのです…。
深い悲しみの底にいた彼女を慰め、癒してくれたのは、湖水地方の自然でした。以降、ロンドンから湖水地方へ頻繁に通うようになり、絵本の創作だけでなく、農業経営や自然の保護活動にも力を入れ始めます。当時、イギリスは産業革命の真っ只中。湖水地方に程近い大都市マンチェスターは綿工業で著しい工業発展を遂げていました。ちょうどその頃、自然保護を目的として組織された英国ナショナル・トラストの活動趣旨に深く共感したビアトリクス・ポターは、「ピーターラビット」で得た収入などをもと手に、活動を支援し、農場や土地を買い足していったのです。彼女の自然への深い愛情とまなざしは「ピーターラビット」シリーズの世界観に色濃く反映されていきました。
のちに、地元の弁護士と結婚し、念願だった湖水地方に移り住むと、自然保護活動の先駆者、農場経営者としてさらに活躍、77歳でその生涯を閉じたとき、遺言としてすべての農場・土地・建物を英国ナショナル・トラストに寄付することが伝えられました。それこそがビアトリクス・ポターが作品だけでなく、いまの私たちに残してくれた美しい自然なのです。

ディーン・フジオカは、今回の旅を通じて、絵本作家としてだけでなく、自然保護活動家、農場経営者などの多彩な顔を持ったビアトリクス・ポターの人物像に迫ります。彼女が暮らしたニア・ソーリー村を歩き、創作活動の拠点でもあり、今も当時のままの姿で保存されている、絵本にも描かれた有名な「ヒルトップ農場」や、湖水地方固有種としてビアトリクス・ポターがその保護に力を入れた羊の命を受け継いでいる「ヨーツリー農場」、また、ビアトリクス・ポターと子どもの頃に実際に接したことのある女性のもとなどを訪れながら、ビアトリクス・ポターが感じたであろう喜び、悲しみ、強い意思、それが昇華されていった創作の足跡をたどり、知られざる背景やヒストリーを紹介していきます。また、英国ナショナル・トラストが所蔵する貴重な絵本の自筆原画やスケッチ、彼女の愛用品などもふんだんに紹介。社会で女性が活躍するのが難しかった当時、強い意志とあふれる才能で時代を切り開いたビアトリクスの人生に焦点をあてながら、いまに残されたものに想いを馳せる、そんな30分となります。