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#68

猪俣公章

演歌にほれ抜いた希代のヒットメーカー、作曲家・猪俣公章。戦後の歌謡界に開いた「演歌」という大輪の花。古賀政男に師事した作曲家・猪俣公章は、演歌ひと筋に歩み、数々のヒット曲を手がけてきました。昭和歌謡「第三世代」の旗手として、変わりゆく日本と格闘しつつも、大衆の心揺さぶるメロディーを書き続けた、その舞台裏に迫ります。
 
●森進一との運命的な出会い、水原弘の復活劇――まだヒット曲のない新人作曲家・猪俣は、デビュー前の森進一と出会い、共にスター街道を駆け上がった。そして、名歌手・水原弘の復活劇に立ち会うことに…。(「女のためいき」「港町ブルース」「おふくろさん」「君こそわが命」など)
●酒と女をとことん愛した無頼派の素顔――銀座での武勇伝にはこと欠かない。酒と女を愛し、ひと夜のロマンに溺れながら、背中合わせのわびしさを歌に込めた。実は寂しがりで甘えん坊だった猪俣。少年時代の思いや、なかなか認められずに苦闘した修業時代に迫る。
●「第三世代」の躍進――古賀政男、服部良一らの第一世代、吉田正、船村徹、遠藤実らの第二世代に続き、猪俣は平尾昌晃、宮川泰、中村八大、いずみたくらとともに、ジャンルを超えた新しい昭和歌謡を築いていく。(「女のブルース」「千曲川」「噂の女」「空港」など)
●演歌新時代へ――勝ち抜き歌謡番組で出会った坂本冬美と、日系三世のマルシア。何事においても対照的な2人の内弟子を、厳しく愛情豊かに育て上げた猪俣。演歌冬の時代にあっても、日本人を揺さぶる歌を模索し続けた。(「あばれ太鼓」「ふりむけばヨコハマ」など)
●周囲を驚かせた結婚と死――19歳下の女性と結ばれ、一人娘を授かった猪俣。そして、訪れた突然の死。歌謡史を駆け抜けた彼が、生涯をかけて残そうとしたものとは…。
 
大らかに艶やかに、日本が一番元気だった時代を体現した作曲家・猪俣公章。時代が激しく変化しても、演歌をとことん愛し抜いた男の生きざまが、懐かしいヒット曲とともによみがえる。