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    #110

    長門裕之/津川雅彦

    昭和30年代前半は映画が娯楽の王様ともいえる時代であった。その頃日活で活躍し、一躍スターとなった兄弟・長門裕之、津川雅彦。祖父は日本映画の父・マキノ省三、叔父は映画監督・マキノ雅弘、父は俳優・沢村国太郎、叔母は女優・沢村貞子という、まさに映画一家に生まれた。長門は映画『太陽の季節』で主演を務め、津川も石原裕次郎主演の映画『狂った果実』でデビュー。その後、長門は叔母の沢村貞子によるアドバイスで名脇役に。津川は映画監督としても活動し、マキノ姓を継ぐ。               同時代に同じ映画界で生きた兄弟の心模様とは? 石原裕次郎、北原三枝、浅丘ルリ子など、日活時代の交流秘話も紹介する。

    長門は、当時の日活の看板女優・南田洋子と、津川は、宝塚歌劇団出身の人気女優・朝丘雪路と結婚。“おしどり夫婦”と呼ばれつつも、夫の浮気や借金、一人娘の誘拐、しゅうとの介護など、難題山積みの夫婦生活だった…。認知症が進む妻・洋子を介護し、夫婦の絆を強くしたという長門。悲痛な洋子の死と、浅丘ルリ子ら友人の厚意。さらに、長門が病に倒れた日、一緒に舞台に出演していた川中美幸との友情秘話も紹介する。そして晩年、兄弟の確執が溶けた頃に、津川は、妻・雪路の介護に直面する。妻の死に、津川は「すべて感謝」と語る。               

    人気スター夫婦の映画、ドラマ、舞台に懸けたあつい執念、そして襲い掛かった苦難とは? 時代を駆け抜けた兄弟の闘病、介護、夫婦の絆と別れを振り返る。そこから見えてきた兄弟の絆とは?