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#117

荒木とよひさ&浜口庫之助

青春の愛唱歌『四季の歌』をはじめ、アジアの歌姫テレサ・テンの三部作『つぐない』『愛人』『時の流れに身をまかせ』、堀内孝雄の『恋唄綴り』など、偽りのない真っすぐな表現で、心震わせる名曲を世に送り出した作詞家・荒木とよひさ。そして、『バラが咲いた』『夜霧よ今夜も有難う』『人生いろいろ』など、洗練されながらぬくもりのある“ハマクラ・メロディー”を残した作曲家・浜口庫之助。高度成長期の原動力となった“団塊の世代”の人生の節目には2人の歌が流れていた。昭和の歌謡界に新しい息吹を吹き込んだ2人の足跡をたどり、多くの人々の心をつかんだ創作秘話に迫る。
 
●少年の心に刻まれた母の姿(荒木とよひさ)
荒木とよひさは中国・大連で生まれ、終戦後に熊本へ。両親が離婚し、東京へ働きに出た母を思う日々を過ごす。ようやく同居を始めても、生活のために働く母とはすれ違い、寂しさを消せぬまま非行に走った。母を求める心が荒木の詩心を育んだ。
 
●夢の頓挫が歌に生きる(浜口庫之助)
音楽一家に生まれ、ギターに魅せられた浜口庫之助。バンド活動にのめり込むが、戦争に夢を阻まれる。赴任先のマニラで通訳を命じられ、英語が堪能に。戦後の引き揚げを経て、洋楽が溢れる日本でラテンバンドを結成、ボーカルとして人気を得る。
 
●大けがが生んだ名曲(荒木とよひさ)
学生時代にスキーで大けがを負った荒木。長期に及んだ入院生活で慰めに書いた『四季の歌』が若者を中心に口コミで広まると、ラジオ番組にリクエストが届くまでに。反響はすさまじく、作者を探していたレコード会社がようやく荒木にたどりつく。
 
●40歳からの作曲家人生(浜口庫之助)
日本の曲を作りたいと目覚めた浜口は、バンドを解散して作曲家に転身。ヒットが出ない極貧の日々を耐え抜き、『僕は泣いちっち』と『黄色いさくらんぼ』が大ヒット。哀愁とぬくもりのこもった“ハマクラ・メロディー”が時代の心を捉えた。
 
●盟友との出会い(荒木とよひさ)
プロの作詞家になったものの全く売れず、CMソングで生計を立てていた荒木。ふとした巡り合わせで書いた演歌『哀しみ本線日本海』がヒット。さらに、欽ちゃんファミリーへの楽曲提供をきっかけに、生涯の盟友となる作曲家・三木たかしと出会う。