文豪の味手帳~池波正太郎が愛した食の世界~

文豪の味手帳~池波正太郎が愛した食の世界~

番組概要

「鬼平犯科帳」など日本を代表する時代小説家、池波正太郎。
彼は若い頃から“食”を人生の楽しみとし、常に“旨い物”に寄り添ってきた。
その小説やエッセイに頻繁に登場する“食”に関する表現は多彩…

「揚げたてのカリカリしたカツレツが、真白い皿の上へ。
…その味も、そえてあるキャベツの若草のようにやわらかく香高い舌ざわりも…」

彼が旨いと感じたものは高価な物から、いわゆる大衆の味まで実に幅広い。さらには店の佇まいや店主の人柄、料理名までもが彼の味覚にとって大切な一部分であった。

そんな情景を綴ったたくさんのエッセイ本を片手に、
俳優・別所哲也が、ゆかりの場所をめぐり“食”の世界を通して池波正太郎の生きざま、その裏に見え隠れする“ダンディズム”を、遺族や親交が深かったアシスタント、料理人の証言をもとに紐解いていく“食のドキュメント”です。

放送内容

訪ねる場所は東京・横浜・京都

【東京】

東京では、生まれ育った浅草から、10代で初めて食べた洋食店から足繁く通った蕎麦屋、仕事場にしていた小さなホテルを訪ねる。
そして、時代小説「鬼平犯科帳」にも登場する“軍鶏鍋”から、最期の食事まで…“食の作法”や作品に隠された謎に迫りながら、池波の生きざまと、こだわりを紐解いてゆく。

【京都】

「このあたりの町すじの冬の夜の闇は、江戸の夜をしのばせてくれるのだ。」…と論じ、毎月のように通った京都では、池波が感じた“江戸の夜”を探しに、京都の老舗料亭から旅館を訪ね歩く。
そこには池波が“日本に残したかった情景”が今も残されている。

【横浜】

池波にとって横浜は師匠との思い出の地…。
中華街でふらりと立ち寄った何の変哲ものない、小さな店には、池波の食に対するこだわりが多く隠されている。

“美食家”と呼ばれる事を嫌った、文豪・池波正太郎、

「人間は生まれた瞬間から、死へ向かって歩みはじめる。死ぬために、生きはじめる。
そして、生きるために食べなくてはならない。何という矛盾だろう」…

こう記していた文豪・池波正太郎。その生い立ちから、最期まで、食と向き合った男の、生きざまを描いた番組です。

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