いにしへ日和

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ストーリー

【青森】 堀江佐吉・弘前

弘前のシンボルは、来年、築城400年を迎える弘前城です。
岩木山を一望する天守は、この城が建てられた当時の姿を残す、全国でも貴重なものです。
弘前城は、代々、弘前藩津軽氏の居城であり、藩主お抱えの御用大工の手で守られてきました。
明治の世になって行なわれた石垣の修復工事。
この時、棟梁として参加したのは堀江佐吉(1845- 1908)。
彼もまた、御用大工をつとめた家の出身でした。
弘前の町には、多くの「洋館」が残されています。
その理由は、明治以降、外国人教師を招くなど、文明開化を積極的に取り入れたことと関係があります。
そして、これら「洋館」を多く手がけたのも堀江佐吉でした。
青森銀行記念館(旧第五十九銀行)。
ルネッサンス様式を見事に取り入れながらも、和建築の良さを生かした独創的な佇まいは、佐吉の代表作であり、国の重要文化財にも選ばれています。
この建物に訪れたら見逃せないのが天井です。金唐革紙という、非常に手間のかかる工法で作られた美しい壁紙が貼られています。
現存するのは、日本全国でも数カ所しかなく、ここにも、佐吉のこだわりを見ることができます。