イノセント ブルー ~玉三郎の休日・心の海~

イノセント ブルー ~玉三郎の休日・心の海~

お知らせ

2017年7月31日(月)よる9:00~10:54放送

番組概要

知られざる“坂東玉三郎の知られざる魅力”を坂東玉三郎・総合演出のもと描いていく“ヒーリング&ネイチャー・ドキュメンタリー”。フランス領ポリネシアのソシエテ諸島にある「太平洋の真珠」と呼ばれるほど、地上で最も美しいとされるボラボラ島。1周30キロの本島と、その周囲を40キロのリーフ(岩礁)が取り囲む。15年前、ボラボラ島でダイビングを楽しむ玉三郎の姿があった。玉三郎は、甥のヒトシと素もぐり。水深32mに到達する。「舞台で鍛えられていたから」という玉三郎は、海の中で長く息がつづくという。
グアムとサイパンの間にあるロタ島。ここにはロタホールという、地球にぽっかりあいた穴の中のように光のシャワーが降り注ぐダイビングスポットがある。水に拡散してきらめいている神秘的なシーンを目の当たりにした玉三郎は、光の柱を上っていく。「たまたま観光客がいなかった」というが、天気や観光客がいないなど様々な条件がそろって、はじめてこの美しさが見られるという。

放送内容

歌舞伎俳優・坂東玉三郎が私的に撮りためていた映像を初公開。玉三郎の感性の象徴ともいえる、その映像には誰も知らなかった“完全プライベートな玉三郎の姿”が記録されている。玉三郎は海が好きだ。なかなか海外でダイビングをすることができないので、自宅でその気分を楽しみたいと撮影を開始した。しかし、15年経った今、環境破壊が進み、あのころの美しい海は失われてしまった。当時、ちょっと贅沢だが、何日も現地に滞在して、“奇跡の映像"を数多く撮影した。今となっては、数百本にものぼる映像テープは、美しい地球を再現できる“宝の山"となった。今だからこそ、あの頃のダイビングの映像を多くの方に見てもらいたいと、映像の公開に踏み切った。

南太平洋に浮かぶランギロア島。島の内側にある巨大なラグーンは長さ80キロ、幅20キロもあり、世界で2番目に大きな環礁である。2006年の映像であるが、ランギロア島に玉三郎の姿があった。さまざまな海の生物たちと、まるで言葉が通じるかのように、すぐ仲良くなってしまう才能の持ち主である。ダイバーは海の生物に触れないようにしている。たまたま遭遇した海の生物の方からよってきた時などにふれあうという。魚といっしょに泳ぐには、魚の横か下を泳ぐのがダイバーの基本。魚に警戒心をあたえてはいけないのだそうだ。
2005年1月、玉三郎はフィリピンのセブを訪れた。船で30キロ沖合いにあるカビラオ島に行く。ここには島を取り囲むように見事なサンゴ礁がある。カビラオ島は、ボホール島の西に位置する島で、周辺はスキューバダイビングが盛ん。もちろんシュノーケリングも楽しめる。また島は自然に包まれ、西海岸の2つの小さなコテージ以外はほとんど何もないといっていいほど素朴な島だ。海にもぐると宝石箱を広げたような世界が広がる。当時、玉三郎がダイビングを楽しんでいると、身長を超える大きなサンゴを見ることができた。これだけ大きなサンゴがあるのは見事である。
一度その地を訪れると 、誰をも虜にしてしまう魅力があるというパラオ。マンタやバラクーダの群れなどの大物から、 色とりどりのチョウチョウウオ、レアなハゼまで、あらゆるダイバーのリクエストに応えられる。確認されているだけでも1400種近くの魚が棲息していると言われ、それゆえに日本からだけではなく、アメリカやヨーロッパなど世界のダイバーの憧れの地である。しかし、ここの自然も失われつつある。それでも玉三郎が訪れた2007年は、まだ自然があふれていた。海の中で、玉三郎はウミガメと出会ったり、巨大な魚群に寄り添い、泳いだりして過ごす。とても贅沢な時間だ。また、夕陽が沈む海にたたずむ玉三郎がいる。ここには何度も訪れたくなる綺麗な海と穏やかな時間が広がっている。
インド洋に南北に860キロ、東西に118キロにわたって広がる26の環礁と、そこに約1,200もの島が存在するモルディブ。「島々の花輪」を意味するモルディブは、その名の通り首飾りのようにサンゴの島が連なり楽園を作り出している。モルディブはマンタやジンベエザメを筆頭に、大物との遭遇率が高いことでも有名なエリアとなっている。しかし、どこでも見られるというわけではなく、出現率の高いポイント、シーズンは限られている。2009年、モルディブで巨大な魚に寄り添いスキューバーダイビングを楽しむ玉三郎がいた。海の生き物たちとの思いがけない出会い。見つめれば、見つめるほど、まるで玉三郎の“心の中にある海”を泳いでいるような不思議な感覚にとらわれる。