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#53

「薬師寺」(奈良県) 「人吉別院」(熊本県) 「四天王寺」(大阪府)

「薬師寺」(奈良県)

薬師寺(奈良県)は、天武天皇が后の病気回復を願って建立。心身を癒す寺として、今も信仰を集めています。昭和42年に管長となった高田好胤師は、写経勧進による伽藍復興の道筋をつけました。金堂、西塔、中門、回廊を再建。それは、東洋美術史家フェノロサが「凍れる音楽」と評した、創建当時のままの東塔の修復にもつながっていきます。金堂を詣でた五木さんは、国宝の薬師三尊像が千三百年以上の時を経てもたらす安らぎに浸りました。

 

「人吉別院」(熊本県)

本願寺人吉別院(熊本県)は、球磨川北岸の町中にあります。室町時代後半から360年余り、この地を治める人吉藩主は一向宗を禁じました。しかし信者は「隠れ門徒」となり、殉教者さえ出しながらも信仰を護り続けたのです。五木さんはその足跡を辿り、「かくれ念仏の里」に伝わる彼らの物語を知って欲しいと切に願います。明治に入り禁制が解かれ後に建てられた本堂には、隠れ門徒を労わるような柔和な表情の親鸞聖人「真向の御影」が掲げられています。

 

「四天王寺」(大阪府)

四天王寺(大阪府)は、聖徳太子創建の日本最古の官寺。町中にあって「天王寺さん」として親しまれています。南北一直線に並ぶ堂塔を回廊がぐるりと囲む伽藍は、「四天王寺式」と呼ばれ、飛鳥時代の姿を忠実に再現したもの。講堂下陣には聖徳太子を中心に、日本仏教界を牽引した高僧たちの掛軸が並んでいます。最澄、空海、法然、親鸞など宗派を超えた「和」の世界。五木さんは亀井堂で母の法名を記した経木を浮かべ、その極楽往生を祈りました。