家族法廷

家族法廷

  • トップページ
  • ストーリー
  • キャスト・相関図
  • 主題歌
  • スタッフ

ストーリー

【2012年1月4日放送】 第3話  「遺産分割」

久美(松永玲子)・朋子(岩崎ひろみ)・良弘(TETSUYA)の三人は、ワイドショーを賑わせている有名財閥一家の遺産争いのニュースを興味深げに眺めていた。遺産の取り分をめぐって兄弟で骨肉の争いが繰り広げられている光景は、将来のことを考えると、まったく無関心ではいられない話題だ。
その時、台所では冴子(ミムラ)が頭を悩ませていた。頂き物のメロンがある。家族七人で分けるには、どう切ればいいのか。小野寺家はみんなメロンが大好物。いつもケンカになると聞かされていたからだ。うまく七等分できるか、冴子の腕に家族の平和がかかっていると思い、使命感に燃えていた。
「アイツらのことだ、ちゃんと分配しないと揉めてしまう」
偶然台所にきた達彦(長塚京三)が冴子にアドバイスした。
それを耳にしてしまった子供たち。分配? 揉める?
「遺産の話じゃないかな?」
遺産の分け方を冴子に相談しているに違いない。三人はそう思った。

その翌日から三人の態度は豹変する。久美は普段やらない掃除をこれみよがしにするようになり、朋子は仕事をしている達彦に労いの言葉をかけ、コーヒーを差し出す。普段はまったく見せたことのない理想的な家族像だ。それは更にエスカレートしていく。久美はゲームを餌に亮太をダシに使い、達彦と一緒に寝るよう仕向けた。朋子も負けじと対抗策を錬る。朝は達彦の出勤を三人揃って玄関で見送った。何も知らない達彦は気分上々。しみじみと家族の素晴らしさを噛みしめていた。
しかし、冴子が苦労して七等分したメロンを持ってきた時、みんな気がついた。遺産のことではなく、メロンを切る話をしていただけなのだ、と。
その晩から、みんな今までどおりの素っ気ない態度に戻っていた。しかし、亮太(小林海人)だけは微妙な空気がわかっていない。
「今日もおじいちゃんと寝る。ゲーム買ってもらえるから」
その瞬間、完全に空気が凍り付いた。
「どういうことか説明しなさい!」
孫をダシにしてまで自分が死んだ後のことを考えていたとは、なんとも不謹慎な話だ。達彦は思わず声を荒げるのだった・・・。

さんざんな親子ゲンカを繰り広げた後、達彦は反省する。そろそろ遺言を用意しておいてもおかしくはない年頃である。考えてみれば、子供たちがそんな心配するのも理解できる。達彦は遺言状をしたためようとするのだが、なかなか筆が進まない。
翌日の夜、達彦の帰宅を待つリビングに、電話の音が鳴り響いた。
警察からだ。達彦が交通事故に遭い意識不明だという。
久美らは血相を変えて、搬送先の病院の連絡を待った。みんなの心の中には、昨晩ケンカしたことの後悔ばかりが募る。“とっとと遺言を書いてよ”が最後の会話になったらどうしようと、久美は泣き崩れる。沈鬱な空気が支配する中で、冴子がふと眼を上げると、そこには達彦がきょとんと立っていた・・・。