ストーリー

8月17日(水)放送  第7回:「張り込み」

些細なことがきっかけで直也(柴田恭兵)と早季子(浅田美代子)が冷戦状態に陥っていたある晩のこと、以前直也の部下であった野上(仲村トオル)がやって来た。猪瀬家の向かいの家が捜査中の殺人未遂事件と関わっている可能性があるため、張り込みに部屋を貸して欲しいということだ。捜査への協力と聞いて、直也は承諾する。定年退職して一線を退いて以来、久々に捜査現場を身近に感じられることで、直也の気持ちは高ぶっていた。
しかし、野上は直也を部外者扱いし、けっして事件に口を挟ませようとしない。直也には、捜査に参加できないことへのやるせなさばかりがこみ上げてくる。
「猪瀬さんはもう一般人です。刑事じゃありません」
その一言が、直也の心にぐさりと突き刺さった。
直也とはまったく真逆のタイプでエリート志向の強い野上は、OBの直也と非番中の多田野(金田明夫)を横柄な態度で見下している。新人時代に直也によって刑事としての基本を叩き込まれた野上であったが、来月には警視への昇進が決まっている。警部止まりである直也も多田野も、絶対階級社会である警察組織では野上に対して先輩面するわけにもいかない。
はらわたの煮えかえる思いの直也と多田野は、野上に先んじて捜査をしてしまおうと思い立ち、野上の下で働いている佐伯(中林大樹)を味方につけて事件の詳細を聞き出す。セクハラ被害に耐えかねて上司を殺害しようとした容疑者の小早川早苗の元恋人だったのが、向かいの家に住む新婚夫婦の夫なのだ。逃走中の容疑者が接触する可能性が高い人物であるため、張り込みの必要があるのだという。
しかし、捜査の妨害をしたことで野上の逆鱗に触れてしまう。
「あなたは僕の反面教師でした」と、昔から直也の捜査方法を嫌っていたことを明かした。直也が言うのは現場百回ばかりで、容疑者や被害者に私情を挟む。そんな直也の手法に頼らずに邁進してきたおかげで、自分は警視にまで出世できたのだ。野上は多田野や佐伯、早季子の面前で堂々と直也を非難するのだった。
怒りに震えながらも何も為す術がない直也であったが、その時、夫婦喧嘩の真っ只中にあった早季子が直也の仇を討つためにとんでもない行動に出る。向かいの家に一人突入していったのである。
混乱する中、退職刑事の日常生活を取材しようと直也を訪ねてきたフリージャーナリストの柳田留璃子(若村麻由美)に事件の臭いを嗅ぎつけられてしまうのだった……。

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