ストーリー

8月24日(水)放送  第8回:「親父の長い一日」

娘・真紀(田丸麻紀)の結婚話が進んでいるにもかかわらず、相手も紹介されていない直也(柴田恭兵)は不機嫌な一日を過ごしていた。そんなある日、直也の父・源蔵(夏八木勲)が静岡から訪ねてきた。自由奔放な人柄で、憎まれ口ばかりを叩く天の邪鬼(あまのじゃく)な老人。その突然の出現に、直也と早季子(浅田美代子)は良からぬ予感を抱く。
「“彼女”と別れようと思ってる。手切れ金はどのくらいが相場だと思う?」
なんと、20年も付き合った“彼女”がいるという。その仰天の告白に、直也は驚きと怒りを隠せない。20年前からということは、直也の母が亡くなったわずか2年後から源蔵は新しい女性と付き合い始めていたということに他ならない。

源蔵と同居している兄のミノルに電話で聞いてみたところ、源蔵は兄夫婦と折り合いが悪くなっているようだ。手切れ金のせいで遺産がなくなることが原因だった。
しかし、直也は源蔵の奔放な言動の裏には何か真意が隠されていることを察する。大場(山田明郷)の忠告によって、居場所がなくなった源蔵が老人ホームに入ろうとしているに違いないと確信する。また、早季子も源蔵が持っていた老人ホームのパンフレットを見つけてしまう。二人は源蔵を引き取って同居することを頭の中に描き、思案に暮れるのだった。
そんな時、源蔵があっけらかんとした態度で帰宅する。別れ話をするために“彼女”を訪ねたのだったが、逆にフラれて帰ってきたのだ。その後も直也らの憂慮も気に掛けずデリカシーのない言動を繰り返す源蔵に、直也は怒り心頭で声を荒げてしまう。
「家族と一緒に暮らしたいなら、もう少し謙虚に……」
そう直也に咎められた源蔵は、寂しげな表情を浮かべて背中を丸めた。口には出さない真意が、そこに表れているように思えてならない。
「同居しよ。私、いいわよ」
早季子の方から直也に提案した。源蔵の天の邪鬼(あまのじゃく)な性格を酌んでくれたことに、直也は早季子に心から感謝するのだったが……。
「わしのことなら心配いらんぞ」
源蔵は老人ホームの件をきっぱり否定する。パンフレットは“彼女”が入っている老人ホームのものであって、直也らの早とちりなのだ、と。
その夜、真紀も加えて親子三代で酒を酌み交わした後、酔った源蔵は涙を浮かべながら語り出した。そこには、源蔵の行動に秘められていた切なる思いが……。

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