パナソニック スペシャル 次世代への羅針盤 伊藤元重の経済×未来研究所

第16回放送テーマ
11月28日(土) 夜8:00~8:55


「ネットビジネスの新潮流 ~進化する電子商取引~」

この10年間のインターネットの進化は、目を見張るものがある。
Eコマースと呼ばれる、インターネット商取引の一般消費者向け市場は、約5.3兆円という、大変な規模に拡大した。
Eコマース初期は、パソコンや書籍の購入が主流であったが、現在では日常的な商品も購入対象として、一般的になってきた。
また、職場や学校教育へのコンピューターの導入で、あらゆる世代でインターネットがより身近になっており、そういった、誰もが気軽にインターネットを利用する時代を背景として、インターネットビジネスにも大きな変化が現れている。
今回、番組では、特にネットショップに焦点を絞って、様々なケースを紹介する。


「ネットショップ開店サポートビジネス」
Eストアー

コンピューターの専門知識がないため、ネットショップ開店に、二の足を踏んでいる多くの人をターゲットにした、サポートサービス、「ショップサーブ」を展開するEストアー。必要なサーバー、ホームページや受注、決済、メールマガジンのシステム等を提供し、ネットショップの開店、運営、集客など、商売の基本的なノウハウを、一から丁寧に指導することで、利用者の不安感を解消し、誰でも簡単にネットショップ開けるようにサポートをしている。Eストアーの指導の下、ネットショップを展開するユーザーは、全国で約5万社、流通総額は約2800億円に上る。また、利用者の7割以上がネットでのショップは初めてで、そのためのゼロからきっちり教える教育システムを完備している。

「ネットショップで地域おこし」
能登前・幸寿し

石川県能登半島の穴水駅近くにある、すし店「幸寿し」。このすし店の主人である橋本公生さんが、自ら制作し立ち上げたネットショップが口コミで人気となっている。能登産にこだわった海産物加工品や自らがつくる鯖の押し寿司などを常時100品以上を揃え、販売し、また、自身のブログのほか、料理方法、能登の観光案内なども掲載している。今年の3月には完成度の高いホームページと品質が良い商品が認められ、ネットショップコンテスでは初代グランプリに選ばれている。一時は最盛期の半分くらいにまで落ち込んだ売り上げも、現在は回復し、売り上げの約半分はネットショップが占めている。

「買い物代行サービス」
ECナビ

価格比較サイトを運営するECナビは、雑誌掲載商品を顧客に代わって買い付けに行き、届ける、買物代行サービス「ECナビコンシェルジュ」を展開している。ファッション誌を中心に、雑誌に掲載されている新商品や限定商品など、リアル店舗の人気商品もECナビから購入することができ、ECナビコンシェルジュの利用者は商品代金と商品1点ごとにかかる代行料を支払うことで、時間や交通費をかけずに買い物ができる。その買い物代行サービスの現場を伊藤教授が取材する。



取材先
・Eストアー
・能登前・幸寿し
・ECナビ

ゲストコーナー

ゲスト:夏野 剛 (慶應義塾大学 教授)

1988年早稲田大学政治経済学部卒、東京ガス入社。
95年ペンシルバニア大学経営大学院卒。
96年ハイパーネット取締役副社長。
97年NTTドコモ入社。榎啓一氏、松永真理氏らと「iモード」を立ち上げた。
2005年ドコモ執行役員マルチメディアサービス部長。08年にドコモを退社。
現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ他数社の取締役を兼任。