BS朝日開局15周年特別企画 黒柳徹子のコドモノクニ ~夢を描いた芸術家たち~
放送内容
日本画の巨匠・東山魁夷
若き日に描いた童画の世界
読売新聞社提供
今回は、日本を代表する画家・東山魁夷の世界を旅する。
風景画家として知られる東山魁夷が、絵雑誌『コドモノクニ』に童画を描いていたことはあまり知られていない。本名・東山新吉として描かれたその絵には、子どもたちに向けた温かいまなざしが感じられる。そんな東山魁夷の生涯をたどる旅人は、女優・伊藤かずえ。自らも、子どもに絵本の読み聞かせをして育ててきた。
東山魁夷が風景画家として確立するまでの人生は、まさに波瀾(はらん)万丈。画家になることをなかなか決意できなかった少年時代。進学後は、日本画家を目指しながらドイツへ留学。『コドモノクニ』に絵を描きながら両親へ送った手紙には、母を楽にしてあげたいという東山魁夷の思いが詰まっていた。そして、兄、父と相次ぐ肉親の死。戦時中は、自らも出兵し、死を覚悟したこともある。戦後も、愛する母、かわいがっていた弟を亡くした。病床の弟へ毎日のように送った絵葉書。家族思いの優しい東山魁夷の素顔が垣間見える。当時は、絵を出展しても落選。「これ以上落ちようがない」と感じた時、風景画家としての道が開かれた。
国民的画家誕生までの秘話をたどる。
旅人:伊藤かずえ