BS朝日開局15周年特別企画 黒柳徹子のコドモノクニ ~夢を描いた芸術家たち~

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放送内容

天才作詞家・西條八十
ヒット曲に隠された苦悩

今回は、童謡から民謡、歌謡曲まで、3000以上の詩を残した作詞家・西條八十の知られざる人生をひもとく。

北原白秋、野口雨情と並ぶ「三大童謡詩人」の1人、西條八十。「毬と殿様」をはじめ、絵雑誌『コドモノクニ』にも数多くの童謡が掲載されている。西條八十の詩から名作も生まれた。森村誠一の『人間の証明』だ。「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね?」という有名なフレーズは、八十が『コドモノクニ』に書いた「ぼくの帽子」という詩の引用である。

西條八十の人生は、決して順風満帆ではなかったという。裕福な家庭に生まれたが、父の死後、兄の享楽から無一文に…。22歳の学生で、盲目の母と弟妹を抱え、家計を支えていかなければならなかった。そのため、小さな株取引を収入に充てたり、天ぷら屋を始めたり、詩人とは程遠い生活をしている自分を責める日々が続いた。そんな時に生まれた童謡が「カナリヤ」だ。「唄を忘れたカナリヤ」に、孤独な八十自身を重ねている。

しかし、天ぷら屋で働きながら目にした人情は、庶民が愛する歌謡曲の作詞へと八十を向かわせた。「東京行進曲」「東京音頭」「青い山脈」「王将」など、ヒット曲は数知れず… 昭和の時代、多くの日本人は八十の歌を聞きながら育ったと言っても過言ではない。多彩な才能を持ち合わせた八十は、文学者たちから「歌謡曲の作詞家に落ちていった人」とからかわれたこともあった。しかし、早世の詩人・金子みすゞの才能を見出すなど、さまざまな人たちを育てた人でもある。

女優の香川京子が、戦時中に茨城の疎開先で八十と初めて出会ったエピソードや、主演映画で八十が作詞した主題歌を歌った思い出を語る。

出演:香川京子