BS朝日開局15周年特別企画 黒柳徹子のコドモノクニ ~夢を描いた芸術家たち~

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放送内容

タイタニック号から鉄道まで
魅惑の乗りもの絵本傑作選!

絵雑誌『コドモノクニ』で発表されたさまざまな作品の中で、乗り物の絵、特に鉄道を描かせたらこの人の右に出る者はいないといわれていたのが、今回の主人公「安井小弥太(やすい・こやた)」だ。

安井小弥太が登場するまで、子ども向けの乗り物の絵は、真横からの構図で全体像を描く平面的なものが主流で、細部は省略されていた。それに対して安井は、乗り物のディテールに徹底的にこだわり、童画=ファンタジーという固定観念を覆して、写実主義を貫いた。安井が描いた立体的でダイナミックな構図は、乗り物童画の先駆けといわれる。

安井は滋賀県甲賀市の大地主の一人息子として、何不自由ない暮らしをしていた。日本画家を志し、緻密な美人画を得意とする北野恒富(きたの・つねとみ)に師事したが、18歳の時に父が他界。親戚の保証人になっていたことから全財産を失ってしまう。安井は、年老いた母の世話や生活費の工面のために、子ども向け絵本の仕事を受けるようになったという。人の真似をすることが嫌いだった安井は、子どもの日常をリアルに描く「生活童画」の旗手として、機関車の部品やビスの一つひとつまで忠実に再現する独特の画法を確立。安井の絵に魅せられて鉄道ファンになった子どもたちも多かったという。

今回、安井小弥太の世界を旅するのは、音楽プロデューサーの向谷実(むかいや・みのる)。人気バンド「カシオペア」のキーボード奏者としてデビューした向谷は、熱烈な鉄道ファンとしても有名で、鉄道の発車メロディやチャイムなどの作曲を数多く手掛けている。安井小弥太の絵に触れ、少年時代のわくわくした感激の瞬間を思い返しながら、その魅力を探る!

【出演】向谷実(音楽プロデューサー)