BS朝日開局15周年特別企画 黒柳徹子のコドモノクニ ~夢を描いた芸術家たち~

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放送内容

「モモちゃん」に託した思い
タブーに挑んだ児童文学作家・松谷みよ子

今年2月、戦後日本を代表する児童文学作家・松谷みよ子(享年89)がこの世を去った。

「にゃあにゃが、くまちゃんが、ほらね、いない、いない……」1967年の発売から47年間、560万部を超え、"日本で一番売れている絵本"として知られる『いない いない ばあ』(トーハンミリオンブック2014年度版調べ)、累計600万部を超す大ベストセラー『モモちゃん』シリーズ、民話がベースの創作童話『龍の子太郎』、原爆の悲劇を描き、教科書にも載った『ふたりのイ―ダ』…等々。松谷みよ子は1951年に処女作を発表して以来、著作は500点を超えるが、その中には、それまで児童文学ではタブーとされてきた"離婚"や"死"などのテーマも。タブーに挑み、戦後日本の児童文学に新たな歴史を切り開いてきた。その作品の多くは、彼女自身の波瀾(はらん)万丈な人生から生まれたものだったといわれる。

東京・神田で生まれ、裕福だった幼少期。ところが、11歳の時に弁護士だった父が交通事故で急逝し、一転して生活は困窮する。青春時代には太平洋戦争が勃発、東京大空襲で自宅が全焼するなど、命からがら生きてきた。戦後は、人形劇団を主宰していた瀬川拓男(せがわ・たくお)さんと結婚。2児を授かるが、早くに離婚。瀬川さんが病気で亡くなった後も、シングルマザーとして子どもを育て上げた。自らが体験したこととはいえ、"離婚"や"死"を児童文学で描くのは、当初、反対や批判があったという。それにもかかわらず、なぜ、松谷はタブーに挑戦したのだろうか? そこには生涯の師として仰いだ児童文学作家・坪田譲治の教えと松谷自身の揺るぎない信念があった―。

松谷みよ子の人生に迫るナビゲーターは、女優・田中美里。幼少期に松谷作品を読んで育ったという田中は、大ヒットドラマ「冬のソナタ」のチェ・ジウの吹き替え役としても知られる。そんな、声優としても高い評価を得る田中が、松谷作品の朗読に挑戦。松谷の作品世界を紹介しながら、タブーに挑んだ人生の秘密に迫る!

【出演】田中美里