BS朝日開局15周年特別企画 黒柳徹子のコドモノクニ ~夢を描いた芸術家たち~

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放送内容

発掘!島崎藤村の童話
故郷に秘められた謎…

ひと、ひと。
ふた、ふた。
みつしようよ。
よつしよう、よつたら、よつしようよ。
いつせいよ。(後略)

これは明治から昭和にかけて生きた詩人で小説家、島崎藤村が絵雑誌『コドモノクニ』に掲載した短文。題名は「さかなやさんのかんじょう」。言葉の面白さが伝わる、全部で10行の短い一文だ。藤村といえば、『夜明け前』などの長編小説で知られ、彼の作詞した「椰子の実」の歌は誰でも一度は口ずさんだことがある名作だ。「文豪」のイメージが強い藤村だが、4作もの童話集を手がけており、幼い子どもたちに向けた作品も数多く残していた。そこには藤村の「本気」がある。

藤村はなぜ童話を書いたのだろうか? そして、藤村がどうしても伝えたかった子どもたちへのメッセージとはなんだったのだろうか? それらの疑問を出発点に、島崎藤村を主人公にした小説も書いている作家・高橋源一郎さんが藤村の故郷、岐阜県中津川市の馬籠(まごめ)へ。藤村についてはよく知っているつもりだった高橋さんだが、今回の取材は新しい発見の連続となった。

「木曽路はすべて山の中である。」の有名な一文で始まる藤村の代表作『夜明け前』は、馬籠が舞台の小説だ。藤村の生家は代々馬籠宿の庄屋で宿場の本陣を兼ねていた。『夜明け前』の主人公・青山半蔵は藤村の父がモデル。生涯を流浪の身で過ごした藤村のふるさとにかけた強い想い、妻と3人の子に先立たれた藤村の、残された子どもたちへの深い愛情…。晩年ようやく見つけたついのすみかにまつわる秘話も発掘! 高橋源一郎が、童話に込められた藤村の思いをひもとく。

【出演】高橋源一郎