にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

大阪天満・人情商店街




にっぽん今昔道。第一回目の道草は大阪天満。
なにわ人情の街で“古き良き美しい日本”探しを開始します。

天満の中心にありますのが大阪天満宮。道草はここからスタートです。
江原曰く「大阪で古き良き日本探しということで真っ先に思いついたのがここにある料亭。そこの若女将とは長いお付き合いなのでいろいろと昔の話を聞いてみたい」との事。

天満宮目の前にひっそりと佇む歴史ある建物…それが料亭相生楼です。
創業は江戸時代という老舗料亭。大阪市内で最も古いとも言われているとか…

さっそく江原と若女将は久々の再会。
創業190年の歴史をうかがい、建物の趣に感嘆する江原。
そして古の粋な遊び方を教わる 若女将によると昔の粋人たちはどれだけ早く仕事を終えるかを一番のステイタスにしていたそうで、早めに仕事を終えると午後 2時3時にやってきて、この料亭の風呂にまず浸かり、夕焼けを待たずに盃をかたむけ始め、飲み明かし、そして「相生楼」に宿泊までしていたそうです。この 遊び方には江原も驚き!
さらに戦争によって「相生楼」が全焼していたという衝撃の事実を聞く。
そんな時支えてくれたのがライバルであるはずの同業者達だったそうです。
その証となる書を見せてもらい…つくづく昔の人々の人情の深さを実感する江原。

古き良き日本というなら…と若女将からある商店を教わり、すぐ側の「天神橋筋商店街」へ。
この商店街は南北に2.6kmも続く日本一長い商店街。
なんと一丁目から六丁目までアーケードが連なっています。
女将さんに教えて頂いたお店を目指して歩くのですが…。

「一銭焼き120円」の看板を発見 食べる事が大好きな江原ちょっと立ち食い。
ここで売られていたのは薄い生地にキャベツと卵が挟まれた「一銭焼き」。
甘辛いソースで手軽にいただく、昔のファーストフードのようなもの。
以前は100円だったそうですが去年の9月から120円になった。
材料の値段が上がって値上がりせざるを得なかったと嘆く店主。
しかし江原が一番驚いたのはサイドメニューの“ぶた巻きしょうが醤油おにぎり” あまりの美味しさに思わず「(大好物)見つけた」と絶叫!

その他にもいろいろと道草する江原。
刃物店、箒屋さんなどに立ち寄り、道ゆく人とふれあい、 おばあちゃんに抱かれた初お宮参りの赤ちゃんとの出会いもありました。

やっと若女将に教わったお店へ到着。
明治4年創業の139年歴史ある金網加工の藤為金網篩。
料亭をはじめ今やパスタ屋さんなどで活躍するオーダーメイドの金網やふるいを作っている商店。
五代目・桑田憲二さんは32歳にして12年目の職人。
使い手や用途に応じた様々な形を自由自在かつ正確に創り出す、若き職人です。

手作業で一つひとつ丁寧に作り上げられる品は、一級品。江原も感動。
桑田さんが職人になったきっかけが「ずっと父の作業を見て育ち、自分も継ぐのだろうと漠然と思っていた矢先、高校生の頃に先代を亡くした。」何も教わらないまま、突然跡を継ぐ事となった桑田さん。知り合いの職人の元に単身で修行へ。
「本当に周りの人が助けて下さったから、ここまでやってこられた…」としみじみ語る桑田さん。
だからこそ「今も一つひとつが手作業のため、失敗できない。先代からお付き合いのある方々に質が落ちたものを提供できない」と誓う。

天満そして天神橋筋商店街を道草した江原。
「続ける事の大変さ」と「継続は本当に力となるんだな…」と改めて実感したのでした。