にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
  • トップページ
  • バックナンバー
  • 心のご利益マップ
  • 掲示板

ストーリー

大切に想う町・富田林




今宵の道草、大阪は富田林。
古くは紀伊国、現在の和歌山県へ続く街道の宿場町として栄えました。

江原、富田林駅前からスタート…今日はどんな古き良き美しい日本に出会えるのか…と思いきや、なにやら歴史を感じさせる和菓子屋を発見、さっそく道草!

創業は今から180年ほど前、天保年間という老舗和菓子屋さん「柏屋葛城堂」。江戸時代から、町衆の日々のお茶席や、式事の和菓子を作り続けてきた名店です。

お母様と共に店主8代目の森貞夫さんと話していると次から次へとひっきりなしにお客さんがやってきます。聞くと孫の誕生祝いに赤飯、節句毎に紅白菓子と地元の人々の生活に密着している事に気づきます。

近くの古い家並みをかたどった焼き印入り「寺内町せんべい」を試食すると「僕には危険な(美味しくて食べ過ぎる)味」と江原絶賛。

せんべいのモチーフがある町並みを見に道草へ

宿場町として栄えた富田林でしたが戦国末期より、京都興正寺別院を中心とする寺町としても発展したそうです。特に「寺内町(じないまち)」と呼ばれる地区は今も尚、当時の面影を色濃く残しているため、大阪府内唯一の「重要伝統的保存地区」として国に指定されているのです。

白壁に黒瓦、秀麗な装飾を施した鬼瓦、碁盤状に広がる幅約5メートルの路地沿いに、江戸から明治期の町家など約500棟が軒を連ねる寺内町その雰囲気にタイムスリップを感じますが… 現在も住民が住みながらこの景観を守っているそうです「富田林寺内町をまもり・そだてる会」という地域の会を設けて様々な働きかけをしています。

交流館で一日ガイドをしてくれる市役所職員 中辻さんとへ出会う江原。町を案内していただきながらぶらり歩き、この中辻さんとにかく熱い!身振り手振りで寺内町の歴史を語ります。おしゃべりな江原に会話を挟ませないほど喋る喋る…江原タジタジ… 本当に町を愛する心が伝わってきます…

中辻さんに面白い話を聞きました。町中の道が少しずらして作られているとの事。これ寺内町ができた戦国時代の名残り・・・半間ずつずらす事で見通しを悪くして、敵から攻め入られないようにしていたそうです。「でも今では自動車運転しづらそう」と江原

中辻さんから寺内町を守ろうと熱心に活動している木口さんを紹介してもらう。今も実際に生活している木口家に残っている江戸時代先人たちの知恵それが『あげ店』。 上下に広げれば店先になり、折り畳むと壁に変身する仕組み。これには江原も感心。

今も昔の建物で生活することの大変さを木口さんに聞くと現代の生活に合わせながら保存するのが大変と… 例えば家自体が風通し良いように作られているのは江戸時代の人々が家を長持ちさせる為に湿気を嫌っていたからだそうです。しかし現代では、寒くて仕方ない。すきま風が入らないように隙間を詰めて襖をガラス戸に替えたりしているのだそうです。

生活は大変…でも後世に伝えていかないと話す木口さん
その地元を愛する心に江原も感動するのでした。