にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

江戸っ子が繋ぐ神保町




今回は、古書の町、東京は神保町での道草。
東京大空襲で、東京都の中でも奇跡的に全焼をまぬがれレトロな建物が立ち並ぶ町です。

神保町の交差点から歩き始めた江原、学生時代には、「トーストおかわり自由」という喫茶店があり、よく通っていたそうで、パンを一斤も食べていたとか・・・。

そんな思い出話をしているうちに見えてきたのが、この地に店を構えて60年 惣菜屋「北井商店」。創業から愛され続けてきたコロッケを厨房にお邪魔して、 揚げさせていただくことに。
コロッケを揚げるのは初体験の江原。
見よう見まねで何とか作った手作りコロッケ。じゃがいも好きの江原にはたまらない美味しさでした。

続いて、江原が見つけたのは「大和屋履物店」。明治17年創業の老舗です。
現在、ご主人の小倉進さんで3代目。
今は下駄といえば1足セットで売られていますが、昔は、下駄台と鼻緒は別々に売られており、お客がそれぞれ好きなものを選んで、注文するのでした。この昔ながらの販売スタイルを今も尚、続けている都内唯一のお店なんです。

その昔、店の前には都電の停留所があったそうで、町の様子も今とは様変わりしたと言います。
高い建物も無かったので、店先から両国で行われた花火大会が見えていたそう…、
今は地下鉄ができたために昔に比べると、店の前を人が通らなくなってしまったそうです。
便利が過ぎると風情がなくなってしまう、と少し寂しい気持ちにも…。

続いて道草したのは、創業は文政元年。主に筆や硯を扱っている「玉川堂」。
「里見八犬伝」を書いた滝沢馬琴や、夏目漱石、永井荷風などの文豪が、こちらの筆を愛用したといわれている店

ご主人が若い頃、たまたま手にした漢詩の詩集が、この店を継ぐきっかけになったんだとか…そこには、まるで先祖から導かれているかのような不思議な縁がありました。さらに「このお店がきっかけでこの町が出来上がったのかも・・・」と仮説を立てる江原…。
何気なく入ったお店で、神保町のルーツを発見したかのような、大満足な道草でした…。