にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

茨城県・「風習に深い祈り・茨城」



今回は、茨城県「真壁」で道草。
江戸、明治、大正にかけ、この地方の文化・産業の中心地として栄えた真壁、隆盛を誇った商人たちが競って建てた蔵などが今もなお数多く残る、風情ある町並み。市街地には100を超える文化財が文化庁登録されています。

今昔道のテーマに相応しい、町並みを散策する江原・・・。

白い屋根の立派な建物を発見。尋ねてみることに。店舗先には可愛らしい、履物が並んでいました。ちょっとお話をお伺いすると・・・明治21年創業の履物店。店舗兼住宅になっている見世蔵は大正初期の建物だそうです。

ご主人が座っている昔ながらの帳場に、代々そこに座ってきたご主人たちの姿を感じる江原。

そんな古い店舗内に、「ひなまつり」の文字を発見。
真壁では毎年2月に「真壁のひなまつり」というイベントを開催しているそう。 真壁の古い住宅や店舗に、ひな人形を飾り、やってくる人たちをおもてなしするといいます。真壁の奥深さを感じる江原。

再び、真壁の町並みを散策していると伊勢屋旅館という古い建物を見つけました。
こちら、幕末までは有名な料亭だったそうで、ちょっとお邪魔すると・・・。
永い歴史を物語る、雰囲気のある帳場。
旅館の方にお話を伺うと、昔の話をしてくださいました。
昔はこの料亭で宴をあげると一人前といわれたほどの、高級料亭だそうです。
今は五代目の良枝さんが切り盛りしています。

昔から引き継がれているものに江原も興味津々!
目に飛び込んできたのは帳場にある縁起棚、商売繁盛を願って縁起物が沢山飾ってあります。

また、自宅の井戸から汲まれた「水」を使った代々続く風習のお話を伺いました。

正月三が日に汲んだ井戸水「若水」で男衆が炊事をしたり、井戸水を大寒の辰の日に家の周りにまくことで、家を火の災いから守るという願いを込めたそうです。

その風習は今もなお続けられているそうで、感銘を受けた江原は改めて、日本の文化、風習を引き継ぐ心に、懐かしさと安心感を覚えるのでした。

伊勢屋旅館を発つ際には、今後の道草旅の無事を祈って、時代劇さながら火打石を叩いてのお見送り。昔ながらの風習の中に深い祈りを感じた道草でした。