にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

福岡県・「こだわる想い北九州門司」




今回は福岡県の「門司」で道草です。
門司は関門海峡の北九州市側に位置する港町。明治22年に九州の海外貿易の拠点として開港し、多いに賑わった港町です。
道草をスタートした江原、海岸沿いを歩いていると、海の中に「謎の石」を発見。
そのすぐ側には神社がありました。
そこは創建1800年以上の和布刈(めかり)神社。門司で最古の神社といわれています。海を目の前にしたそのロケーションに江原も驚き!まさに海峡の守護神。 江原が発見した「謎の石」とは400年以上前に建てられた海中の石灯籠だったそうです。江戸時代、航海の無事を祈って奉納されたとか…。
こちらの和布刈神社では毎年旧暦の元旦に神職が海岸でワカメを刈り採って、神前に供える「和布刈(めかり)神事」が行われています。
ワカメとは昔から「若い芽」として万物に先んじて芽を出し自然に力強く育つので縁起の良い物とされてきたそうです。
1800年以上つづいた伝統ある神事に歴史の深さを感じる江原。

門司の町中に戻って再び道草する江原。商店街を歩いていると「名田」と書かれた看板を発見。創業明治26年の卵販売のお店です。鶏卵の卸し、販売のみで117年続く老舗。
「病院へお見舞いに行くときに持参したりと、昔の卵といえば"高級品"だった」と話してくれたのが4代目ご主人。店頭で売っている『ゆで卵1個30円』を食べた江原はその美味しさに大感激。仕入れは50キロ圏内。販売は20キロ圏内という「新鮮な卵を新鮮なうちにお客様に届ける」ことはご主人のこだわりです。

名田のご主人に門司で今でも昔の雰囲気が残る場所を紹介してもらった江原。 早速行ってみたのが門司港を見渡せる山の中腹に建つ「料亭 ひろせ」。門司が貿易や交通の要所として栄えていた頃、会社の重役達がこぞって訪れていた門司の老舗料亭です。
「料亭ひろせ」は昭和25年に創業され、初代の女将は明治生まれの芸者さんだったそうです。時代が移り変わり現在では、料亭の数も減り、門司には芸者もいなくなったと残念そうにお話する2代目女将。芸者たちを育てるのも、芸者遊びをする客がいてこそ…。
2代目女将は、門司で栄えた芸者遊びの文化を今に残すために年に一度県内から芸者を呼んで宴を開いているといいます。
江原曰く、そんな2代目女将の奮闘を今は亡き先代も見守ってくれているそうで、2代目女将も常に近くに先代を感じていると話してくださいました。
「こだわり続けていくためにも、そのこだわりを分かってくれる受け手がいてこそ。」
門司の歴史の奥深さを感じた道草です。