にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

石川県・「心を表す形を愛する金沢」




今回は石川県の古都、金沢で道草です。
金沢は、古くは城下町として"加賀百万石"と呼ばれたほど名の高い歴史ある町。

全国的にも有名な庭園「兼六園」の近くから道草をスタートした江原。
道草開始早々に、古めかしい大きな燈篭を発見しました。
建っていたのは、創建から1300年ほどの歴史がある「石浦神社」。
21代目の宮司、長谷さんにさっそく、灯篭について聞いてみると、江戸時代に建てられたもので、当時は日本海からこの場所が見えたのだそうです。海から陸を見ると、唯一の目標となる明かりとして使われていたため、"陸の灯台"と呼ばれ、親しまれていたと言い伝えられているそうです。

さらに、明治時代に奉納されたという「木彫りの弁慶」を拝殿で発見。
そこに込められたメッセージを伝えたいと、宮司がこの場所に飾っていると知った江原。珍しさだけでなく気持ちが感じられた神社でした。

続いて、住宅地を歩いていると、ショーウィンドウに豪華な水引を発見。
あまり目にしたことがないという雅な水引に驚く江原は、道草することに。

今では印刷などで簡略化されてしまっている水引ですが、ここはすべて手作りにこだわっている日本で唯一の水引専門店「津田水引折型」。4代目の津田さんご夫婦が切り盛りしています。

紙をこよって水糊をひいて固めることが名前の由来という「水引」は、特に結納品や封筒にかけられることが多く、そこには"人と人とを結ぶ"という意味が込められているのだそうです。

若い時は「結納なんて古臭いものだから、いずれ必要なくなってしまう」と考えていた奥さん。そのことを祖母に話すと「それは違う」と断言されたそうです。 「結納は、大事なお嬢さんを頂くことへの"けじめ"。いつの時代も、お嫁さんを迎えるのにけじめをつけたいと思うのは、自然なこと。だから時代が変わっても、水引はなくならないと信じている」と諭されたそうです。

祖母の言葉を信じて今までやってきたという奥さん。
時代が変わっても「本当にその通りになった」と祖母への感謝で溢れている姿を見た江原は、形には意味があり、その意味を知ると心がわかる、と教えられたのでした。