にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

東京都・「子どもを町で育む・品川」




今回の道草は、東京都品川。
東京湾にそそぐ目黒川の河口に位置する品川は、港町として発展し、江戸時代には東海道の宿場町として賑わった町です。

川沿いの雰囲気を楽しみながら道草を始めるとお宮が見えてきました。
西暦709年創建といわれる「荏原神社」です。
拝殿の屋根を見上げると、両脇に顔をのぞかせている龍を発見。
雨水を大切にするための工夫なのですが、ちょっと珍しい光景でした。

続いて路地裏を歩くと、昔ながらの商店に出会いました。
そこには昔懐かしい駄菓子が所狭しと並んでいます。
江原も幼少期を思い出し、ちょっと興奮。

こちら100年以上続く「稲垣商店」は駄菓子を中心にタバコや雑貨を揃えるお店、稲垣ヒデ子さんが1人で切り盛りしています。
『自分で出したごみは自分で捨てる』『使ったものは元の位置に戻す』など、いくつかのルールがあるのです。

例えばカップ麺を買って食べたら、カップをお店に戻すと10円を返金。
これでリサイクルを覚えてくれればと稲垣さんが考えたのだそうです。
そんな中、他店のカップを持ってくる子どももいるそうですが…
稲垣商店で買ったものにはあらかじめスタンプを押すため、他のお店で買ったものは分かるようになっているのです。
子どものずる賢さとの知恵比べがあることに、江原は微笑ましそうに聞き入りました。

数十年前の子どもと比べると今の子ども達はいろいろと変わってきたことがあるそうです。
見ていて一番嫌なのは、子どもが自分でお金を持っているのに友達にたかること。そういう感覚の子どもがいるからこそ、それが悪いことだとわかってほしいと願っているそうです。

利益を考えていては、駄菓子屋を続けるのは無理だと奥さんはおっしゃいます。
しかし、昔お店に来ていた子が、大人になって子どもを連れて遊びに来てくれると、なんとも嬉しいのだとか。
そんなことがあるから、営業は厳しくてもお店は続けていきたいと話してくれた奥さん。
残念ながら後継者の予定はないそうですが、自分ができる限りはやっていこうと決めているそうです。
ずっとあり続けてほしいと願う、江原でした。