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造園家 高田宏臣

造園家・高田宏臣さんが作るのは、その土地の草木を使い、自然の森の美しさを映し出す庭――癒しとやすらぎに満ちた『雑木の庭』です。化学肥料や農薬に頼らず、自然の力だけで庭を作る方法は独特。徹底的に地面の下の土壌環境を整えることから始めるのです。要となるのは、水と空気、そして微生物。
深い縦穴に竹筒を埋めて空気の通り道を作り、水の循環を促します。さらに、炭や枯れ葉、枯れ枝を用いて微生物が生き生きと活動出来る環境を作ることで、土が豊かになり、「あとは自然に任せればいい」…生命力あふれる庭になるのです。
高田さんは今、その経験を森林再生に生かし注目されています。あらゆる手を尽くしてもダメと困り果てた地方行政が、最後の駆け込み寺のようにやってきて、再生事業を依頼するのです。「道路などの構造物に遮られて水のしみ込めない土が増え、地中の環境が変わってしまうと、樹木の育ちが悪くなる」と考える高田さん。現在取り組んでいる事業の一つは新潟市の海岸防災保安林。2年前には枯れていた松林が、土壌を改善することで、よみがえりつつあります。日本の森林はここ10年で急速に枯れてきているという事実に向かい合う高田さん、そのユニークでパワフルな仕事を追います。

高田さんの仕事をもっと知るには・・・
http://www.takadazouen.com/