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紋切り遊び研究家 下中菜穂

「紋切り遊び」をご存知ですか?江戸時代の庶民文化として生まれ、今ではほとんど忘れ去られてしまった日本の遊びです。紙を折りたたんで型通りに切り、開いた形の美しいこと!これらは皆、日本の伝統の形。動物や植物、気象や天体など、森羅万象を自在に表現。祖先の心豊かな暮らしぶりや自然観が伝わってきます。そんな幻の遊びを現代に復活させようとしているのが、造形作家の下中菜緒さんです。紋切り遊びの「紋」とは家紋のこと。「江戸時代の人々は家紋で遊んでいたの?」という謎に引き寄せられるように、研究を始めました。江戸時代に作られた、家紋を作るための型紙の載った古書『紋切形(もんきりがた)』を発見。今も私たちが口にする言葉「紋切り型」の由来だとわかりました。下中さんは、古文書を紐解きながら紋切型を作り、日々の暮らしの中で紋切り遊びを楽しめるよう、和紙を同封した本を出版しました。東日本大震災後は被災地を訪ね、紋切り遊びで交流。紋には言葉のように意味があること、紋切り遊びは人と人をつなぐものであること、そんな日本の形の力を伝え、次の世代に渡していきたい、と下中さんは語ります。

下中さんの活動をもっと知るには・・・
https://www.xpl.jp/