国仲涼子のイタリア美食紀行 もう一人のダ・ヴィンチを追って~完全再現!ルネサンスの宮廷料理~

国仲涼子のイタリア美食紀行 もう一人のダ・ヴィンチを追って~完全再現!ルネサンスの宮廷料理~

番組概要

「ルネサンス期の食を見れば、私たちの食のルーツが見えてくる」をテーマに、女優・国仲涼子が美食の国・イタリアを旅する。天才ダ・ヴィンチによる「最後の晩餐」。近年の大修復によって、そのテーブルに並べられた料理が魚料理だったことが判明。なぜ、魚なのか?その謎の鍵を握るのが、ダ・ヴィンチと同時期に生きた天才料理人・メッシスブーゴ。美食の国イタリアで、ルネサンス期の食文化に隠された料理の秘密に迫る!

世界の食文化をリードする美食の国・イタリア。ピザ、カルボナーラ、ラザニア、カルパッチョ、ジェラート、ティラミス…私たちが普段親しむ身近な料理やスイーツはこの国で生まれた。
レオナルド・ダ・ヴィンチの名作『最後の晩餐』。近年の大修復でテーブルに並べられた料理が、聖書の記述にある肉料理ではなく、魚料理だったことが判明。なぜ、彼は魚料理を描いたのだろうか? 女優・国仲涼子が専門家と共にその謎を探ると、ダ・ヴィンチと同時代に生きた天才料理人の存在が浮かび上がった。その人の名は、クリストフォロ・ダ・メッシスブーゴ。現代、私たちの身近にある料理を発明し、現代につながるフルコースの体系までも作った人物。その足跡をたどることで、私たちの食のルーツまで見えてくる。メッシスブーゴが発明した数々の絶品料理をいただきながら、『最後の晩餐』の謎を追う。

放送内容

レオナルド・ダ・ヴィンチの最高傑作『最後の晩餐』に描かれた料理の新事実

ルネサンス期を代表する万能人・レオナルド・ダ・ビンチ。国仲涼子は、まず、ダ・ヴィンチの足跡を訪ねることに。生誕の地・トスカーナ州の田舎町・ビンチ村では生家を訪ね、オリーブ畑が広がる淡い緑の景色に感動する。
500年間変わらないというこの風景は、ダ・ヴィンチを象徴する作品『最後の晩餐』の背景に描かれているとも言われる。その『最後の晩餐』、1970年代から大規模な修復作業が行われた。その結果、テーブルの上に描かれていた一皿の新事実が明らかになった。聖書の文書によれば、キリストは肉料理を食したとされている。しかし、ダ・ヴィンチは、魚料理を描いていたことが判明。ダ・ヴィンチは、なぜ魚料理を描いたのか。その謎を探っていくと、ダ・ビンチと同じルネサンス期に生きた宮廷料理人にたどりつく。クリストフォロ・ダ・メッシスブーゴ、〝食のダ・ヴィンチ〟と称される人物だ。国仲涼子は、足跡をたどるため、中世の雰囲気がそのまま残る世界遺産の街・フェラーラへ。

現代の料理の原型を作り上げた〝食のダ・ヴィンチ〟メッシスブーゴ

イタリア北部・フェラーラ。フィレンツェより早くルネサンス文化が花開いた街だ。領主・エステ家のもとで、都市計画、音楽、絵画などによって時代を切り開いたこの街は「ヨーロッパ最初の近代都市」と呼ばれた。
そのエステ家に仕えていた宮廷料理人が、『最後の晩餐』魚料理の謎の鍵を握るメッシスブーゴだ。国仲涼子は、エステ家の居城・エステンセ城を訪ねる。メッシスブーゴはエステ家の晩さん会を取り仕切った人物。当時のイタリアは小国が乱立し、戦乱と混乱の中にあった。晩さん会は政治の舞台としても利用され、敵国から客を招くこともあり、国の豊かさを他国に見せつけるものでもあった。メッシスブーゴがプロデュースした晩さん会では、ときには17回もフルコースが出される豪華さだったそう。それも、魚料理のオンパレード。新鮮さが求められる魚を多く出すことは豊かさの象徴でもあり、貴族の間では人気が高かったという。そこに、ダ・ヴィンチが『最後の晩餐』に魚料理を描いた理由もあった…。

〝食のダ・ヴィンチ〟が手がけた晩さん会

メッシスブーゴについては、その功績が非常に高かったことから、亡くなった後、メモや記録をまとめた書籍が出版された。『バンケッティ(晩さん会)』と名付けられた本の中身には、晩さん会で手がけた料理のレシピが克明に記されていた。そのレシピを忠実に再現しているレストランで、国仲涼子はメッシスブーゴの料理を食す。その中には、ラザニアやリゾットなど、現代にも通じる料理があった。メッシスブーゴは、さまざまな料理の原型を作り上げた天才料理人だったのだ。さらに、彼は料理だけではなく、晩さん会の演出も手かげていた。
国仲涼子も花の都・フィレンツェで開かれた一夜限りの晩さん会に向かう。ハープやフルートが奏でる音楽、道化師による曲芸、そしてゲーム。おしまいには手土産を欠かさないという演出。メッシスブーゴは、現代のパーティに欠かせない演出までも創出した、晩さん会の総合プロデューサーであった。これこそ、〝食のダ・ヴィンチ〟と呼ばれる理由だ。

『最後の晩餐』を食す

国仲涼子は、『最後の晩餐』に描かれていた魚料理を、一流シェフに作ってもらうためミラノへ。ミラノはダ・ヴィンチが画家として本格的にスタートをきったゆかりの地で、名画『最後の晩餐』もこの街に残されている。
今回お願いしたのは、クラウディオ・サドラー氏。イタリア伝統料理の良さを損なうことなく近未来的にアレンジすることでトップシェフに。イタリア料理界の改革者として数々の賞を受賞している。そのサドラー氏に、当時の食材を使い『最後の晩餐』の料理を想像で作っていただく。はたして、そのお味は? 国仲涼子だけの、感動の晩さん会が始まる。