祭り・寺社・花街・学生街… 京都暮らし路地旅

祭り・寺社・花街・学生街… 京都暮らし路地旅

お知らせ

【放送日時】
2016年5月1日(日) よる9:00~10:54再放送

番組概要

京都の暮らしを味わいながら、生活する人だけが知る趣を味わう旅。それが“暮らす旅”。旅行者では見つけられない時間、空間…そこには“素顔の京都”がありました。

京都に暮らす人だけが知る、旅行者では見つけられない時間。一日の光と影の変化、季節の移ろい、旬の食べ物、年中行事…。そして、空間。京都人が愛してやまない「路地(ろおじ)」、「ろおじ裏」、さらには、ろおじ裏の先の先にある「辻子(づし)」、「突抜(つきぬけ)」など、不思議な空間とそこにある生活…。通常の旅では訪れることはないが、これこそ“素顔の京都”。暮らしを味わいながら、生活する人だけが知る京都の趣を味わう旅。それが、この番組が提案する“暮らす旅”だ。
案内人は“暮らす旅人”、同志社大学・加藤千洋教授。加藤教授は、かつてBS朝日『にほん風景遺産』で4年半にわたり全国津々浦々を歩いた旅の達人。2011年からは京都の同志社大学の教授に着任し、週に4日ほど京都に暮らしている。
短い日程で有名社寺を観光する旅とは違う、暮らしてわかる京都の良さとは…。

放送内容

<「路地(ろおじ)」、「ろおじ裏」「辻子(づし)」「突抜(つきぬけ)」>
京都の大路小路、すなわち「路地(ろおじ)」は、平安の昔から条坊制で定められている。ろおじ裏とは、これらの通りの裏。さらに、その先の先にあるのが「辻子」(通りと通りをちょっとだけつなぐ道)、「突抜」(建物や森などを突き抜けて作られた道)だ。知らなきゃ怖い、小さな小さな路地だが、そこには地元の人だけの空間、暮らしがあり、若いアーティストの工房やひっそりたたずむおばんざい屋に居酒屋、バー、スナックがある。京都の不思議な空間を散歩、そして出会うのは…。

<京の四季を彩る花街 宮川町>
現在、京都には祇園甲部のほか、祇園東、宮川町、先斗町、上七軒の5つの花街があり、これを総称して「五花街(ごかがい)」と呼んでいる。1月7日の「始業式」で花街の1年が始まり、3月は上七軒の「北野をどり」、4月は祇園甲部の「都をどり」に宮川町の「京おどり」、6月は「五花街合同公演」など、季節の節目に年中行事が行われ、京都の街を華やかに彩る。鴨川に面した風情も美しい宮川町を中心に、花街の四季、年中行事を紹介する。

<普段着の京都人/日本一のパン好き、ドロドロスープのラーメン>
和食のイメージが強い京都だが、実はパンに使うお金が日本一多い街。注目を集めるパン職人も多く輩出し、専門ガイドブックまで出ている。京都人は粉物が好きで、もちもちとしたパンの食感が感覚的に愛されたという。おいしいと評判のパン屋を訪ねる。
さらに、京都は年間50軒のラーメン屋が開店するというラーメン好きの土地柄。しかも薄味が好まれる京都にあって、なぜかラーメンだけはこってり系が主流。濃厚なスープと京野菜の九条ねぎの甘さを引き出すとか。

<観光客は足を延ばせないが、実はすてきな西陣界隈>
交通量の多い堀川通りから小さなろおじに入ると、“トンカラトン”とどこからともなく機織りの音が聞こえてくる。千本格子に瓦屋根の町家も残る西陣は、平安時代から続く機織りの街。応仁の乱の頃、山名宗全率いる西軍が陣を置いたことから「西陣」と呼ばれるようになった。しかし、西陣の住所はなく、一般的には、東は堀川通、西は七本松通、南は中立売通、北は鞍馬口通までといわれる。
西陣から北野天満宮、祇園と並ぶ茶屋町・上七軒へと向かう周辺は観光客の姿も少なく、道も分かりずらいせいか、裏道に入れば今でも町家の街並みをゆっくり楽しむことができる。

<「疎水と名水」水の京都>
三方を山に囲まれ、鴨川・桂川などの河川が流れる京都盆地の地下には、琵琶湖の水量に匹敵するほどの地下水がたたえられているといわれる。千年に及ぶ都の文化は、この恵まれた水資源に支えられてきた。先人たちはこの水を「御神水」としてあがめ、恵まれた水資源によって酒造り・京菓子・豆腐・湯葉などの食文化を育んできた。また、茶道の発達に伴い、京都の水は名水としても珍重されてきた。古くから知られ、歴史の舞台にも度々登場するのは京都三名水、「染井」「佐女牛井(さめがい)」「縣井(あがたい)」。
京都の中心を流れる鴨川では、アユが解禁となると、毎朝、アユを釣る女性の釣り人の姿も。料理屋「喜幸」の女主人だ。戦後の食糧難の時代、家業の豆腐と鴨川で獲った川魚を出す店として始めた店は、現在も健在。京都らしい料理を出してくれる。

<大学の街 京都>
「京都市の人口の1割は大学生」といわれる。年によって割合は変わるが、大学の数・学生数とも、東京に次いで全国2位であり、人口に占める学生の割合においては、東京に大差をつけて1位だ。大学の町らしく名喫茶店も多く、学生街を歩き“青春プレーバック”の散歩も“暮らす旅”ならでは。