DaiwaHouse and Tomoko Yamaguchi present LISTEN1001

LISTEN、耳を澄ます。内なる心の声に耳を傾ける。1001、千一夜物語。遥かな未来へ向けた眼差しで、伝え続けたい「今」。「聴いて、感じて、心地よく浸れる。夢あるテレビ番組を目指したいです。山口智子」

山口智子が、いま、心から伝えたいこと。 未来に語り継ぎたい大切なもの。
世界に溢れる感動を、ボーダレスな「音」で共有したい。

世界中を旅して出会った様々な音楽や文化を、山口自らのセレクトとディレクションにより、クオリティの高いサウンドとビジュアルでお届けする音楽・紀行ドキュメント。
2011年1月から毎月連続放送のシリーズです。

■放送予定
Episode7 2012年3月21日(水)夜11時30分~11時55分 新作 
テーマ 山口智子インタビュー PR動画
Epsode6

ギリシアの島々には、古代より波に運ばれた音が息づいている。
エーゲ海最南端のクレタは、険しい渓谷が美しい神話の島。山深くの村では、幾世代も受け継がれた歌や踊りが護られている。
伝統楽器リラやラウートで爪弾かれるリズムは、美しい跳躍舞踏を生み、人々は民族の物語を詩に詠み紡いできた。
収穫の秋を迎え、葡萄の蒸留酒ラキの誕生を祝う宴“カザニ”に集う人々は、歌と踊りで熱く沸騰する。

■音楽家紹介
Psarayougis Giorgos (Psarogiorgis) Xylouris
(イヨルゴス)

伝統楽器ラウート奏者。有名なリラ奏者の父Psarantonis(アントニスXylouris)と叔父ニコスXylouris を生んだ音楽一家に生まれる。11歳から父の演奏に参加し、オーストラリアで自身のアンサンブルを結成した。アルバムはオーストラリアのARIA美術賞にノミネートされた。息子ニコスと共に、現在クレタとメルボルンを拠点に活動。

Yiannis (Aetoyiannis) Panagiotakis (アエトヤニス)

民族舞踊団を率いるリーダー。
クレタ島は神話の島であり、ダンス発祥の地である。半神半人のクレスたちが踊った荒々しい跳躍舞踊が、世界で最古の踊りだという。島の伝統楽器リラの演奏とともに、人々は手と手をつなぎ、背筋を伸ばした軽やかなステップでリズムを刻む。

Dimitris Sgouros (デミオトリス)

リラ奏者。小学校の教師。蒸留酒の祭りで見事なリラを演奏する。

Yiannis Vardas (ヤニス)

羊飼い。リラ奏者。詩人。

Epsode6

舞台となるのはジプシーバンドパルノ・グラストの故郷。東ハンガリーの小さな町。
スロバキア、ウクライナ、ルーマニアの国境に隣接するその町で、4人の子供たちの洗礼を祝う祝宴が開かれた。
町じゅう総出で大宴会の準備が始まる。女たちは豚や鳥をさばき歌いながらごちそうの準備。男たちは力仕事。子供たちも会場の飾り付けを手伝う。
洗礼式当日、馬車が先陣をきり、楽団が音楽を奏で人々は教会までパレードする。
プロテスタント、カトリック、色々な宗教が渾然一体となり、子供たちの人生の門出となる大切な式典は進む。
パルノ・グラストが祝宴の幕を切る。ウクレレ風ミニギター、ヴァイオリン、木のスプーンやミルク壷で作ったパーカッション、歌のおばちゃんたちが歌い奏でる。
祝福の宴は三日三晩続いた。

Epsode5

南セルビアの町、Vladicin Han(ブラディチェ・ハン)出身のボバン&マルコ・マルコヴィッチ・オーケストラ(Boban Marković Orkestar)は、バルカンブラスとジプシーの伝統を引き継ぐ、13人のメンバーによるブラスバンドだ。
セルビアの中部、グチャ(Guca)村で1961年から毎年開催されている音楽フェスティバルは60万人もの聴衆を集め、世界的に活躍する多くのバンドが生まれる登竜門でもある。彼らはここで数々の栄冠を獲得し、80年代より活躍してきた。セルビアの映画監督エミール・クストリッツァの「アリゾナドリーム」や「アンダーグランド」にも起用されている。
http://www.boban-and-marko-markovic.com/

■音楽家紹介
Boban Markovic (ボバン・マルコヴィッチ)

1964年5月、ジプシーの祝祭日として最も重要な聖ジョージの日に生まれる。彼の故郷、南セルビアのVladicin Han(ブラディチェ・ハン)は、ロマ、ジプシーの伝統と豊かな音楽文化を受け継ぐ地である。
ボバンの父も祖父も音楽家であった。5歳からトランペットを学び、村の友人たちと演奏を始めた。サッカー少年でもあったが、トランペット奏者になることを目指し、父の催すコンサートや結婚式の演奏で技を磨き、20歳で自分のオーケストラを立ち上げた。
トランペット奏者として数々の栄誉を受賞し、世界的に活躍するようになる。
こんなエピソードがある。ロンドンのオーケストラに、世界中のトランペットマエストロの一人として招かれた。リハーサルで楽譜を渡されたが、彼は譜面で音楽を学んでいないため、リハーサルができないという事態になった。ボバンは常に耳で覚え、ハートから生まれるものを音にしてきたのだから。結局指揮者が楽曲を演奏し、それをその場で耳で覚えて本番に臨んだと言う。
2006年から息子マルコが18歳でバンドの一員となる。マルコは現在バンドのメインソリスト、アレンジャーとして活躍し、世界でツアーを行い数々の作品を発表している。
 

Marko Markovic(マルコ・マルコヴィッチ)

1988年生まれ。家族と共に南セルビアのブラディチン・ハンで育つ。
父ボバンはバンドのツアーやレコーディングで家にいる時間はわずかであったが、父を敬愛し強く憧れるマルコは、5歳からトランペットの練習を始め父を目指した。トランペットへの情熱は続き、子供時代の午後はすべて練習に打ち込んだ。
彼の最初のトランペットの先生は、父ボバンの師でもあった祖父だったという。
ボバンはマルコを家に残し、旧ユーゴスラアビアやヨーロッパを巡るツアーにあけくれ、マルコが12歳になるまで息子の才能に全く目を向けなかったと言う。ある日、ボバンの妻が、息子の練習の成果をほんの少しでいいから聴いて欲しいと強く迫った。そしてボバンは、息子の素晴らしい上達ぶりに驚嘆することになる。いくつか伝統的な曲を弾いてみてくれとマルコに頼むと、見事な演奏をボバンに披露した。今までずっと目を留めてこなかった息子の音楽に感動した彼は、遂に息子をバンドの一員に迎えることになる。
マルコが14歳の時、帰宅したボバンはマルコに言った。鞄に荷物をまとめてオーケストラに加わるようにと。リハーサルも必要なかった。マルコはハートから生まれる曲をもう学んでいたのだった。11歳からずっと、一日10時間も練習してきた彼の夢は、ただの子供時代の憧れに終わらなかった。2002年からツアーに参加し、マルコの演奏と作曲への情熱はメンバーの信頼を集め、今ではメインソリスト、そしてアレンジャーとしてバンドを率いている。
エミール・クストリッツァプロデュースによる映画「Gucha! The Distant Trumpet」にアクターとして参加し、音楽も演奏している。

■Louis の歌

Episode5で、ボバン・マルコヴィッチが熱唱する曲は、セルビアの人々に愛される名曲である。旧ユーゴスラビア生まれのセルビアのシンガーLouisによるもの。少年の頃に、ルイ・アームズトロングのパフォーマンスでその名を知られるようになったことから、Louisの名がついた。
2011年7月、交通事故で他界。
Loisへの追悼の心を込めて、ボバンはステージでこの曲を捧げた。
恋人を失った心を歌った詩であるが、その言葉に、故郷を愛し、そして故郷を失う悲しみと隣接し生きてきた、バルカン半島の人々の想いが込められていると思う。
 

Ne kuni me, ne ruzi me. majko

do not scold me, do not rebuke me, mother,
do not ask me about my destiny
everything i had i gave away for her
do not scold me, do not rebuke me, mother,
 
wherever i go, i think about her, mother,
enormous sadness follows me everywhere
day and night i think about her, mother
do not scold me, do not rebuke me, mother
 
叱らないで
責めないで 母さん
どうか尋ねないで 僕の運命を
 
僕のすべてを彼女に捧げた
叱らないで
責めないで  母さん
 
どこへ行こうと彼女を思うだろう  母さん
大きな哀しみが僕の後をついてくる
昼も夜も彼女を思うよ  母さん
 
叱らないで
責めないで
母さん

Epsode4

舞台はハンガリー・ブダペスト。
ジプシー音楽家ファミリーが一夜の響宴を催した。
ジプシー音楽家として名高い名門ラカトシュ家の血を継ぐヴァイロリン奏者・ミクローシ(Miklós)が、信頼し敬う仲間たちに声をかけ、31名の音楽家(7グループ)とその家族と友人たちが一堂に会した。
千年もの歳月旅をして様々な文化を結び、高められてきたジプシー音楽。
夢の競演は夜が明けるまで夜通し奏でられた。
彼らの美しい魂のメロディは、聴く者の心に深く染み込む。

■音楽家紹介
Miklós Lakatos (ミクローシ・ラカトシュ)

1959年生まれ。父を師とし3歳よりヴァイオリンを弾き始める。 オーケストラに加わり世界を旅しながら演奏し、23歳で自信のバンドを結成。欧州の名門ホテルやレストランで演奏するキャリアを積み、 ジャズ、バルカン音楽、ジプシーの超絶技巧を融合させた新しい音楽への試みを続けている。現在ブダペストのジプシー音楽レストランにて毎夜公演を行う。
 

Roby Lakatos(ロビー・ラカトシュ)

ヴァイオリン奏者。ハンガリーのジプシーヴァイオリンの始祖とされるJanos Bihari(1764-1827)の子孫。名門ラカトシュ家7代目。叔父は高名な演奏家シャーンドール・ラカトシュ(Sandor Lakatos)。9歳から活躍しリスト音楽院を主席で卒業。ジプシーの伝統音楽をベースとし、ジャズとクラシック音楽を融合させた独自の音楽も名高い。ラカトシュ・アンザンブルというバンドを結成し活躍。
 

Sárköziサルコジ家

Sárközi Lajos (父) ヴァイオリン演奏家
ifj. Sárközi Lajos (兄)ヴァイオリン演奏家 20歳
Sárközi Rudolf (弟)チェロ演奏家 16歳
Csík Sándor コントラバス演奏家 16歳
ジプシーの家族と音楽についてインタビューに応えてくれたのは、天才少年音楽家として期待の新星サルコジ兄弟。まだ20歳と16歳とは思えぬ貫禄と見事な演奏には、会場に集った先輩音楽家たちからも拍手が沸き起こった。

■ジプシー音楽(ロマ音楽)とは

ロマは北インドに起源を持つ移動民族。紀元千年ごろジプシー発祥の地とされるインドラジャスタン地方を旅立ち、イラン、イラク、アルメニアなど中近東を経て、15世紀頃にはエジプト、スーダン、ブルガリア、ルーマニア、」ハンガリー、ギリシャ、クロアチア、アケドニア、セルビア等へと広がってゆく。流浪の人々は、その旅の記憶と民族の歴史を音楽に託し継承してきた。旅を続け新たな土地と出会いながら、互いの文化に影響を与え合い、多面的な音楽を生み出してきた。
バルトーク、リストなどクラシック音楽家にも多大な影響を与え、スペインのフラメンコの原型もロマの音楽とダンスと言われる。

Epsode3

一枚の写真から感じる「音」や「音楽」もある。
アジアとヨーロッパを結ぶボスポラス海峡に臨む古都、トルコ・イスタンブール。
この町の人々を撮り続けた報道写真家 アラ・ギュレル(Ara Guler)の言葉が、イスタンブールの情景とともに物語を展開してゆきます。

episode3を美しいピアノで彩るのは、トルコ出身の作曲家・ピアニスト、ファジル・サイ(Fazil Say)
アナトリアの吟遊詩人の唄をもとに作曲した「ブラック・アース(Black earth)」、インプロビゼーションも意欲的に試みるSay作曲・演奏の美しいメロディは、東西文化を結び美しく融合させる。Say 演奏のベートーベン「テンペスト」は、クラシックという枠を超えて生き生きとしたパワーに満ちている。
“listen1001”のオープニングテーマ曲は、Fazil Say作曲による「1001nights in Halem」。演奏は、episode2に登場した注目のヴァイオリニスト、パトリシア・コパチンスカヤ(Patricia Kopatchinskaja)

また、episode1に登場したカザフスタンのフォーク・アンサンブルTURAN(トゥラン)によるシャーマンダンスや、ホーミーの唄。
セルビアのライコ・フェリックス(LajkoFelix)のパワー溢れるヴァイオリン演奏。 ハンガリーのヴォーカリスト、セバスティアン・マルタ(Sebastyen Marta)の美声も再び登場する。

■登場アーティスト
アラ・ギュレル(Ara Güler)
フォト・ジャーナリスト 1928年トルコ・イスタンブール生まれ。
ジャーナリストの視点で時代を記録する“ビジュアル・ヒストリアン”と自らを称する。トルコだけでなく、イラン、カザフスタン、アフガニスタン、パキスタン、インド、ケニアなどを訪れ撮影し、ウィンストン・チャーチル、アルフレッド・ヒッチコック、サルバドール・ダリ、パブロ・ピカソなど時代を率いた芸術家や政治家のインタビュー写真も発表。
Epsode2

東から西へ、人間の文化の移動とともに音楽も旅をしました。
移動しながら文化を伝え融合させる役割を担ってきた人々、それがジプシー(ロマ)と呼ばれる人々です。
「ツィンバロム」は、素朴で力強いジプシー音楽には欠かせないもの。
モルドヴァ出身のミュージシャン一家には、父母から娘へ、ツインバロムからヴァイオリンへ、音へのパッションが受け継がれています。
そして、音への尽きぬ「エネルギー」を追って、セルビアへと旅をします。

■登場アーティスト
マルタ・セバスティアン(Marta Sebastyen)
ハンガリー、トランシルバニア地方の民謡を継承する国民的歌姫。
透明な歌声は、映画『イングリッシュ・ペイシェント』にも起用された。


パトリシア・コパチンスカヤ(Patricia・Kopatchinskaja)
モルドヴァ出身。
父ヴィクトル(Victor)、母エミリア(Emilia)との共演。パトリシアは、オーケストラとの共演など現代のクラシック音楽界で活躍するヴァイオリン演奏家。生まれ故郷の民族音楽や即興を盛り込んだ熱演は、様々なジャンルの壁を越えて多くのファンを持つ。父ヴィクトルは、かつてロシアで大活躍したツィンバロム奏者。父母から娘へ受け継がれた音への情熱が心を打つ。
“Listen 1001”のオープニングテーマ曲 “1001 nights in Harem” のヴィオリンを奏でているのはパトリシア。
Epsode1

壮大な大平原から昇る朝日。遥かな地平線から向かってくるのは、馬の大群の地響き。
ハンガリーの東にある大平原・ホルトバージには、遥かな昔、馬と人間がユーラシア大陸の東から旅立ち西へと向かって旅をした、大移動の歴史の名残が息づいています。

「馬」とともに歩むテンポ、疾走するリズムは、今も多くの民族音楽の中に見出すことができます。

多くの西洋楽器の起源ともいえるモンゴルの民族楽器「馬頭琴」には、こんな伝説もあります。「馬の頭蓋骨に絡み付いたタテガミが、風に吹かれて音を奏でた」と。

Episode1は「Horsepower」と題して、西洋音楽のルーツとも言えるアジアの弦楽器や、風土から生まれる歌に焦点を当てます。

■登場アーティスト
ライコ・フェリックス(Lajko Felix)
セルビア出身、天才的フィドルプレーヤー。
ジプシー起源の楽器(ツィタラ)の超絶技法演奏は必見。


トゥラン(TURAN)
カザフスタン出身。
伝統音楽を今の「かっこいい」フィーリングに融合させる期待の5人組。 個性的な伝統楽器やホーミー(homi:歌い手が一人で2種の声を同時に出すモンゴルの歌唱法)、シャーマンダンスなどビジュアルにも引き込まれる。
放送内容 テーマ 山口智子インタビュー PR動画
  1. ■音楽や人々の語り、それぞれのショートストーリーを、つれづれと紡いでゆく構成。起承転結に左右されない、新しい分野への挑戦。情報の洪水や説明過多な世界を抜け出して、「感じる」心地よさを取り戻しいたい。シリーズを連続して観ることで、音や文化が、旅をしながら結びついてきた流れを体感することができます。

  1. ■取材場所の選択基準は、古今東西の文化が交錯し融合する場所です。

初編シリーズでは、西欧文化とアジア起源の伝統が交錯するハンガリーを中心に撮影されました。
撮影場所:
ハンガリー(ブダペスト、ホルトバージ)、ドイツ(ベルリン)、オーストリア(ウィーン)、トルコ(イスタンブール)、クロアチア、セルビア。


  1. ■登場する人々や音楽家も、古今東西の文化を結び今に生かすため、チャレンジを続けるユニークなメンバーです。それぞれの故郷や風土との繋がりを大切にしながら、革新を続け、「かっこいい」伝統を築いているかたがたです。

 

  1. ■繰り返し見ても心地よい、永久保存版として味わいたいクオリティ高い映像とサウンドを目指し、ボーダレスなスタッフを構成しました。

Director:  Garry Bassin (米国)
Camera: Attila Csoboth (ハンガリー)


その他、音響や撮影スタッフは、撮影場所となったドイツ、オーストリア、トルコから結成されました。

放送内容 山口智子インタビュー PR動画
■“LISTEN1001”とはどんなものですか?
既存の企画にただ参加するのではなく、このシリーズは自分自身が一から動き立ち上げたものです。
私にとってテレビは「夢と希望」。
私は小さい頃からテレビっ子で、テレビに育てていただいたようなものです。だから、自分がテレビを見る立場に立って、今ほんとうに観たいもの、自分がテレビから受け取りたい「夢と希望」はなんだろう? という心の声に従って、動き出してみようと思いました。
1001という数字には、千年後の未来にも誇れる仕事をしてゆきたいという思いと、1001もの物語を綴り続けてゆきたい、つまり「継続は力なり」という思いが込められています。
このシリーズには、古今東西の文化を融合させるため、果敢にチャレンジを続けるかたがた、美しいものを生み出すみなさん、心から尊敬する人々に参加していただきたいです。
世界に溢れる美しい文化や人々の姿を、未来に伝えたい宝として、心を込めた映像で綴ってゆきたいと思います。
■“LISTEN1001”では、どんな土地を巡ったのですか?
「伝統」と「未来」、「東」と「西」…。
古今東西の文化が交錯し融合する場所、文化の「クロスポイント」に惹かれます。
シリーズの初編では、東西文化の狭間に位置するハンガリーのブダペストを中心に、セルビア・クロアチア・ベルリン・ウィーン・トルコなどを訪ねました。
キーワードは、人間が旅をして文化や音楽を伝え合ってきた「流れ」や「リズム」です。
特にブダペストはプライベートも含め10回近く訪れている場所。
西欧文化を率いてきた都でありながら、東洋の文化も混在する「不思議な懐かしさ」を感じる町です。
ハンガリー人は、マジャールと呼ばれるアジア起源の民族と言われます。
数年前までは、東方起源の自分たちのルーツを口にすることさえはばかられた時代がありましたが、今その苦難を乗り越えて、彼らの中には「自らの根を探す」気運が満ちています。
この気持ちは、自分たちの風土の魅力を見失いかけている私たち日本人にとっても、決して人ごとではない、とても身近な渇望に思えます。
多くの民族と文化が行き交ったハンガリーや東欧には、人間の融合への記録が、「音」として積層していて、今どこよりも惹かれる場所です。

2010年秋、ブダペストを中心に滞在し、一ヶ月以上かけて多くのアーティストやミュージシャンを訪ねました。
訪れた場所は、国境を考えればいくつも揚げられますが、実際に自分の足で移動してみると、音や文化は国境に関係なくボーダレスなものであり、旺盛に旅をして行き交い結びついてきたことが実感できました。
■登場するアーティストはどんな人たちですか?
伝統と革新、東洋と西洋。
古今東西の文化を融合させるために、それぞれの個性や風土を生かしながら、挑戦を続けている音楽家や人々を訪ねました。
2010年夏に、ハンガリーの大平原で行われた民族フェスティバルでは、たくさんのミュージシャンと出会えました。
初編に登場する「トゥラン」にも、そこで初めて会いました。カザフスタン出身の20歳ちょっとの5人組のグループです。
久しぶりに胸躍り血が滾る音楽に出会えました。ただ伝統を受け継ぐだけでなく、今の時代に素敵に生かす彼らのセンスは素晴らしいです。
衣装も彼ら自身でデザインしたもので、ホーミー(裏声を使い一人で二つの音を発生する技法)も独自に訓練して習得したそうです。きっと、これから世界に羽ばたいてゆくに違いない期待の星です。
■出演する側から、番組を作るという仕事に向かって行ったきっかけは何ですか?
私にとってのスーパーヒーローは、美しいものを作る「職人さん」です。
ここ数年「職人」精神に惹かれて、ものづくりの現場を訪ねてきました。
潔い形の美しさで勝負する職人さんたちを訪ねるうちに、ものづくりについて、深く反省させられました。それは、自分自身が関わる映像世界についてです。
「夢と希望に溢れる、より善いものを世に広める。」これは、ものづくりもテレビの世界も共通する目標だと思います。
使い手の幸せのために心を込めて作ったものだけが、長い年月を経ても決して古びずに、使い続ける事で、未来に残ってゆきます。
私の仕事の現場としてのテレビの世界も、このシンプルな窮極の真理に近づいてゆけないものかと思います。
テレビを愛するひとりの視聴者として、過去と未来を結ぶクロスポイントに立つひとりの人間として、

「今」という瞬間の素晴らしさを、誇りを持って伝えてゆけたらと思います。
放送内容
15秒 30秒 60秒
15秒 30秒 60秒
15秒 30秒 60秒