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#57

直虎から直弼 井伊家1000年物語 完結編 ~城下町・彦根と琵琶湖をめぐる~

京都から琵琶湖線でおよそ50分。日本で一番大きい淡水湖・琵琶湖の東湖畔に位置する滋賀県彦根市。四季の変化が豊かな自然に囲まれ、彦根城をはじめとした歴史的建造物が多く残り、趣きのある景観が城下町情緒を醸します。
「近江を制する者は天下を制す」戦国時代、歴戦の雄が天下への足がかりとして重要視した要衝の地・近江。琵琶湖の周辺には織田信長が築いた安土城、浅井長政の小谷城、豊臣秀吉の長浜城など、名だたる武将の城が1000を超えるといいます。その一つが国宝・彦根城。家康の天下普請によって築城され、堅固さと優美さを併せ持つ彦根藩主・井伊家の居城。戦を経験しなかったため400年前そのままの姿を今に多く残し、琵琶湖のほとりに優雅にたたずみます。いま注目の女城主・井伊直虎。その擁護のもとに育った直政は徳川家康の家臣として頭角を現し、勇猛果敢な戦いぶりで信頼を得ます。そして天下取りの重要な地である彦根を与えられ、彦根藩初代藩主になりました。以来300年幕府に仕え、大老を4人も輩出するなど井伊家は長く繁栄。井伊家のお膝元である彦根の街は、いたるところに井伊家の影響がうかがえます。
彦根・琵琶湖を旅するのは、作家・島田雅彦。彦根の城下町を歩き、井伊家御用達のお菓子や、大老・直弼の愛した湖東焼を現代によみがえらせた陶芸家に出会います。また、湖に浮かぶ日本唯一の有人島・沖島に渡り、現存する最古のすしといわれる郷土料理「ふなずし」に舌鼓。
女の身でありながら激動の戦国の世で領地・領民を守り、井伊家繁栄の礎を築いた直虎。徳川四天王の一人に数えられた「井伊の赤鬼」直政。幕末、日本開国の祖・直弼まで。井伊家・彦根藩300年の歴史をたどる2泊3日の旅。