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神が海渡る夏!塩竈みなと祭 ~伊達の港町と日本三景 松島めぐり~

宮城県のほぼ中央、仙台市と日本三景・松島の中間に位置する塩竈市。
古くから、陸奥国一宮・鹽竈神社の門前町として賑わい、江戸時代には伊達藩の港として、近代になってからは近海・遠洋漁業の基地として発展してきました。特に近海生マグロの水揚げ高は日本一、全国屈指の港町です。
260余りある松島の島々のうち半数以上は塩竈市に属し、人が住んでいる浦戸諸島の桂島・野々島・寒風沢島・朴島には、海水浴や釣り、潮干狩りなど、海を楽しむために多くの観光客が訪れます。

港町・塩竈に夏の到来を告げる「塩竈みなと祭」は、終戦直後の昭和23年に塩竈の復興を願って始められました。鹽竈神社と志波彦神社の神輿をそれぞれ奉安した御座船が百隻ものお供の船を従え松島湾の島々を巡航する姿はさながら平安絵巻を見るよう。神輿を御座船に奉安するため表坂を下ろすのも見どころの一つ。約1トンの重さの神輿をわずか16名の選ばれし氏子たちが、最大傾斜30度の急勾配の表坂を厳かに下ろします。

塩竈みなと祭を目指し、旅をするのは作家・島田雅彦。
鹽竈神社の門前町をぶらり散策し、市場では塩竈が誇る本マグロづくしの丼ぶりを堪能。松島湾に浮かぶ浦戸諸島の島々では、素潜り漁師や島を花々で彩ろうと活動する島民などに出会い、島の暮らしや魅力を発見。
また、塩竈みなと祭、神輿の表坂下ろしの重責を初めて担う青年にも密着。祭り7日前から始まる禊から担ぎ手の任命、祭り当日までを追い、塩竈市民誇りの祭りを深く知ります。