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我が心のお山「御嶽」と錦秋の中山道~木曽・ひのきと生きる人々を訪ねて~

長野県西部に位置する木曽地方。周囲は山また山、樹齢300年を超えるヒノキが雄々しく育ち、そこから生まれた湧水は木曽川に流れ込み、中京圏で暮らす人々の生活を潤します。面積が広く高低差も激しいため、樹木の種類が豊富で鮮やかな色合いの紅葉が長く楽しめるのが魅力的な地。
しかし今の豊富な森林資源は、先人たちの血のにじむような努力があったからこそ。かつて厳しい森林保護政策が敷かれたことにより、冬に暖を撮りたくても薪が無く、多くの人々が寒さに倒れました。そんな中でも森を守り、森と共に生きる知恵を見出していった先人たちの想いは今に引き継がれています。

木曽を通る中山道は、江戸と京を結ぶ五街道の一つ。中でも木曽11宿は「木曽路」と呼ばれ、今も当時の佇まいを残します。妻籠宿は中山道六十九次のうち、江戸から数えて42番目の宿場町。1976年に日本初の重要伝統的建造物群保存地に指定され、現在も約800mの道沿いに出し梁造りや格子の家屋が立ち並び、桝形の町並みに残る古い建物や常夜灯、水船などどこを切り取っても“画”になります。

神宿る山、御嶽山は木曽の人々を支える我がふるさとのの山。古くから信仰の山であり、山自体がご神体とされています。2014年9月の噴火で甚大な被害をもたらした山は観光客が激減。それでも木曽の人々にとっては大切なお山。

木曽を旅するのは俳優・石丸謙二郎。
晩秋の木曽は赤に橙、黄色と鮮やかな季節。天然木曽ヒノキが立ち並ぶ赤沢自然休養林で森林浴、森を守り伝統を受け継ぐ木地師と出会い、珍しい材木市場を体験します。そして霊山・御嶽山を入山規制がかかる手前の9合目まで登ります。
森を守り、森に生きる。木と共に生きる木曽の人々のたくましさを感じる旅。


2億年の絶景!地球の営みと出会う
~宮古から久慈70km 三陸鉄道の旅~

日本一古いともいわれる5億年前の岩盤を含む三陸海岸。地球活動の造形とそこに生きる人々の歴史や文化にふれることができる場所として「日本ジオパーク」に認定されています。国内に43地域あるジオパークのうち「三陸ジオパーク」は、岩手県を中心に青森県八戸市から宮城県気仙沼市に至る南北約220キロメートル、面積約6000平方キロメートルと日本一の規模を誇ります。
今回の旅の舞台は、岩手県沿岸北部の北三陸エリア。宮古市を代表する景勝地・浄土ヶ浜や高さ200メートルの大断崖・北山崎など、絶景が連続するジオサイトの宝庫です。

北三陸を旅するのは、俳優・石丸謙二郎。
旅の始まりは、三陸海岸を代表する港町・宮古。白い岩肌に松の緑が美しい浄土ヶ浜の絶景を堪能したり、この道60年の櫓や櫂を作る職人の伝統の技に出会ったり。
宮古からは、三陸鉄道北リアス線に乗り列車の旅。北へ約70キロメートル、終点の久慈駅を目指します。
三陸鉄道北リアス線は、東日本大震災で不通となりましたが、2014年4月に全線運転を再開した復興のシンボルといわれる路線。
故郷に戻り三陸鉄道の運転士になったばかりの女性に出会い、研修からデビューまでを密着。復興中の故郷への想いにふれます。

三陸鉄道を途中下車して、天然記念物の鍾乳洞・龍泉洞の散策や北山崎の大断崖を“サッパ船(小型漁船)”で探検。神秘的な地底湖やダイナミックな大断崖など地球活動の遺産に出会います。
さらに、秋から冬が旬のドンコ(エゾアイナメ)も堪能。91歳の大女将が作る潮汁に舌鼓を打ちます。
そして終点の久慈では、ウニを素潜りでとる「北限の海女」と出会い、荒々しくも恵みを与えてくれる海への想いにふれます。