ニッポンの“深海”大冒険! ~海底探索で見つけた もう一つの世界~

ニッポンの“深海”大冒険! ~海底探索で見つけた もう一つの世界~

お知らせ

【放送日時】
2016年7月10(日) よる9:00~10:54放送

番組概要

“海洋大国・ニッポン”を“深海”から知ろう!
「深海」そこは、謎に満ちた未知の世界―一般的に「深海」とは水深200m以深の海のことを指します。光が届かない暗黒の領域。電波も通じないそこは、宇宙よりも行くことが難しいとさえ言われているのです。実は、日本の周りの海底は起伏に富み、「深海」が多いことが分かっています。長い間、謎に包まれてきた深海ですが、最新の研究で、様々な事実が分かってきました。そこには、“海洋大国・ニッポンってどんな国なのか”“ニッポンの未来にはどんなことが待ち受けているのか”を探るヒントが詰まっているのです。
その深海の調査で世界をけん引しているのは、日本の研究機関「海洋研究開発機構(通称:ジャムステック)」です。世界で最も深く潜ることの出来る有人調査船をはじめ数々の深海ロボットや調査船を開発。番組では、ジャムステックが30年以上に及び撮影してきた数々の貴重な深海映像と共に、世界中が驚いた多岐ジャンルにわたる最新の研究成果を紹介します。番組のナビゲーターは「深海をこの目で見るのが生涯の夢」と語る、世界的な水中写真家・中村征夫が担当します。

【世界で初めて、謎の生物の生態を解明!】
日本近海の海底には400度もの熱水を湧き出す海底温泉が点在しています。そんな熱水の周りに群がる真っ白で摩訶不思議な深海生物たち。いったいなぜこんなに白いのでしょうか?なぜこんなに群がるのでしょうか?彼らの正体と生態の秘密に迫ります。
さらに、長年その生態が謎に包まれてきた深海生物「シロウリガイ」。ジャムステックは、相模湾水深1000の海底から「シロウリガイ」を採取し、水槽で飼育。世界で初めて、人工的に放卵させることに成功しました。すると、その卵に、生物学者も驚いた不思議な現象を発見。今年5月世界的な研究結果をとして発表しました。いったい卵に隠された秘密とは?その他にも、海中を浮遊する美しい深海クラゲなど、貴重な深海生物の映像を紹介しながら、摩訶不思議な生態を専門家が徹底解説します。

【“未来の資源(海底資源)”は発掘するものから生み出す時代に!】
日本近海に埋もれている海底資源、その価値は300兆円とも言われています。ジャムステックはこれまで、日本近海の様々な海域で、メタンハイドレードなど未来の資源の探索・発見に成功してきました。そんな中、海底資源研究の世界で注目を集めているのが、海底温泉の存在。海底から湧き出る熱水に含まれる鉄分が固まると、高い岩のような構造物が出来、その中に、希少な金属が含まれていることが分かってきたのです。そこで、ジャムステックは、世界初の大実験を敢行!沖縄沖、水深およそ1000Mの海底に穴を掘り、人工の海底温泉を作ったのです。11か月後、そこに行ってみると・・・なんと8Mの高さにもおよぶ構造物が出来上がっていました。そして、その一部を採取して調べたところ、中に、金、銀、銅、亜鉛などの資源が含まれていたのです。まさに、日本の未来を支える貴重な海底資源は、発掘するものから、生み出す時代へと変化しつつあるのです。

【地震・津波を詳細に感知!深海における防災の取り組みを紹介】
今、日本中の期待を背負って挑んでいるのが、地震の研究。ジャムステックは、東日本大震災の直後から東北沖の生態系を徹底調査。そんな中で見えてきたのは、ガレキが漁礁の役割を果たし、生き物たちの棲み処になっているという事実でした。
さらに、世界初の生物実験も!東北を代表する水産資源ズワイガニ、謎だらけだったその生態を調べるため、甲羅にセンサーを取り付け、海底での動きをキャッチするという壮大なプロジェクトにも密着。
そんな中で、ある意外な発見が!東北沖の海底を行くロボットのカメラが見つけたのは、巨大な沈没船。いつどのようにして沈んだのでしょうか?謎が膨らみます。周りには大量の魚の群れ、まさに、それは神秘の光景ーさらに、、ジャムステックの調査チームは、巨大地震が懸念される南海トラフへ。東日本大震災の反省から、地震をより細かく感知し、津波情報もより早く詳細に発信できる装置を、深海に設置しました。深海の研究により、地震津波速報の在り方が変わりつつあるのです。