SHISEIDO presents エコの作法
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2011年10月21日・11月11日放送 「彩る×京都」

京都。
1200年の歴史と伝統が息づく、いにしえの都。
訪れる度に、どこかなつかしく、ほっとさせてくれる美しい京都の風情ある町並み・・・
ところで、こんな言葉をご存知ですか?
“Do You Kyoto?”
「環境にいいことをしていますか?」
今から14年前の国際会意義で採択された「京都議定書」。
現在、世界中が取り組む地球温暖化を防ぐための第一歩は、ここ、京都から始まりました・・
国内外合わせて、年間およそ5000万人が訪れるこの町には、これからの時代に必要な歴史と文化を生みだしてきた「作法」が存在するのです。
「彩る 京都」
京都に昔から伝わる作法は、シンプルながらも、贅沢に暮らしを彩ってきました。
その作法には、エコな暮らしのヒントがあふれています。
世界をリードする、「エコな街」の心に迫ります。
長岡天満宮に隣接する日本料理店、錦水亭(きっすいてい)。
春の名物は、季節をそのまま頂くたけのこづくしの料理。
その繊細で大胆な一品一品(ひとしな)は京都の人々の「食」へのこだわりと哲学を象徴しています。

京都の食材に魅せられたシェフのステファン・パンテルさん。
祇園にある、フレンチレストラン、「ケザコ」。
京都歴11年目になるステファンさんのお店です。
南フランス、プロバンス生まれのステファンさんは野菜、それも京都の野菜にこだわった料理を作り続けています。
来日当初は、スーパーで見かける一年中いつも同じで、種類も少ない日本の野菜にがっかりしていたのだとか。
その失望を喜びに変えたのが、京都でした。
京都の八百屋さんには、それまで見たこともないような色とりどりの野菜が季節ごとに並んでいたのです。
心奪われたのは、京都の歴史と風土が育てた、京野菜でした。
使う野菜は、全て自分の目で確かめます。向かったのは、大原三千院に近い完全無農薬の野菜農園。
つくだ農園の渡辺雄人(ゆうと)さん。
今はこの地で、数少ない完全無農薬野菜作りに情熱を注いでいます。
渡辺さんは四季折々、延べ40種類ほどの野菜を育てています。
盆地特有の夏の暑さと、冬の厳しい寒さ、そして豊かな水。
京都の気候風土は、実はおいしい野菜作りに最適だったのです。
昔から続いた野菜作りを、品種改良などすることなく守ってきたのが今日の京野菜なのです。
京都の気候風土が培い代々の農家が守ってきた野菜の味はいつの時代も京都の食文化を彩ってきました。
そしてその伝統は、京都を愛する人々の手で新たな進化を遂げていくのかも知れません。
京野菜に惚れ込んだ作り手と料理人。
京都人の心に刻まれている、その美味しさを畑と厨房から、追求しています。

ヘルシーでローカロリー。
今、女性達に人気のおばんざいに、京都の作法が息づいていました。
京都市の真ん中にある、大きな京町家。
今から140年前に建てられた呉服屋さん、杉本家です。
質素倹約。
京都の古い商家のダイドコには、食べ物を無駄せず、おいしく食べる知恵と工夫が今も息づいています。
「歳中覚(さいちゅうおぼえ)」は220年前から伝わり、年中行事や暮らしのきまりごと、さらに日々の献立などが、時代ごとに少しずつ改められながら残されてきました。
ものを大切にする「始末の心」は、京都人にとって、ごくあたりまえのこと・・・
質素倹約を潔しとした古い商家の心得。京都のライフスタイルは、エコそのものなのです。

京都人は暮らしの中に自然の美しさを採り入れようとしてきました。たとえば襖障子に使われる唐紙。
およそ500年前から伝わるその文様は、どれも自然からのデザインです。
そして、纏う人を彩ってきた京友禅。
着物に鮮やかな自然のモチーフを描いたのは職人たちの技と、情熱でした。
京都の作法。装いの心をつたえてくれるのは、シェリー中西さん。
御主人と一緒に、オーガニック素材のショコラ専門店を営んでいます。
静かで落ち着いた気分で過ごせると、お店は町家をそのまま活かしています。
そして、優しい気持ちになれるからと、お店に出る時は、いつも着物スタイル。
美しく着物を彩る、模様・・・
京友禅染は、時を経ても、着物が色あせることなく、次の世代にまで伝えていけるよう職人たちが情熱を傾けた京都の技なのです。
こうした着物作りの技を、新しいカタチで応用しようとする若き挑戦者がいます。
京都デニムの桑山豊章(とよあき)さんです。
京都デニムの前身は、長年着物を作ってきた会社。
今や、海外からも注文があるというちょっと個性的なジーンズはどれも、京友禅の伝統工芸士をはじめ、着物職人たちが柄を染めた、着物感覚のジーンズです。
着物の匠たちが染めたデニムには伝統の技と、新しいチャレンジがありました。
竹壽章(としゆき)さんも、匠の一人。40年以上に渡って、反物に柄を映し出してきました。
柄の決め手となるのは、型。
反物の上に和紙で作った型を置き、染料で色を付けたり、逆に生地から色を抜くことで柄を作ります。
これも、着物を長く愛する心から生まれた技。生地そのものを染めることで、変わることない鮮やかな色合いになるのです。
もともと友禅染は、刺繍や部分染めではなく着物に自由に模様を描きたいという発想が実を結んだ技術。
そして京都の職人たちは長く着ることが前提だった着物をいつまでも彩るために技を磨いたのです。
京都の匠の熱き情熱と、それを支える確かな着物の伝統技術が、新しいファッションを生みだそうとしています。

京町家。
それは京都人の知恵が生んだ、時を超えて、愛される住まい。
家全体に風を通す知恵。
火を天井に逃がすための知恵。
自らを壊し、地震の揺れを躱すための知恵。
京町家にはそうした知恵と、代々住み続けてきた人たちの思いが生き続けています。
京都の作法を住まいで伝えてくれるのは、下鴨でフレンチレストランを営むパスカル・ペニョさんと、奥さまの恵さんです。
料理と共に、パスカルさんがゲストに味わって欲しいもの・・・
それは、お店そのものです。
閑静な住宅街にたたずむ、京町家のレストラン。
元々は民家だったものを買い取り自宅兼お店として、去年オープンしました。
120年以上前に建てられた町家をパスカルさんは、手を加えることなくとても大切に使っています。
家には想いが宿る。町家の木のぬくもりは、住んできた人たちの記憶なのかもしれません。
町家に住むということは、それまでそこに暮らしてきた人々と時を超えて語り合い、繋がり合うことなのです。
例え今は、自分のものでも、いずれまた、誰かのスイートホームになる。
だからこそ、京都人は町家を大切に使うのです。

エコシティー、京都。
それは百年、二百年先の未来を考える人々が築いてきた街。
DO YOU KYOTO?
YES I DO KYOTO.
そんなやりとりが実現する未来を、京都は待ち望んでいます。

KEZAKO(レストラン)

住所:京都府京都市東山区祇園町南側570番地261
電話:075-533-6801
FAX :075-533-6802
※水曜定休

ヴィレッジ・トラストつくだ農園

住所:京都府京都市左京区大原小出石町105
電話:075-744-3866
FAX :075-744-3866
http://tsukuda-blog.sblo.jp/

杉本家住宅(重要文化財)

住所:京都府京都市下京区綾小路通新町西入ル矢田町116番地
電話:075-344-5724
FAX :075-343-3773
http://www.sugimotoke.or.jp/
※常時の一般公開はしていません。詳しくはHP参照。

杉本節子のだいどこ日記(ブログ)

http://www.kyoto-obanzai.jp/blog/

京都のおばんざい

http://www.kyo-kurashi.com/obanzai/

京都生ショコラ(チョコレート)

住所:京都府京都市左京区岡崎天王町76-15
電話:075-751-2678
http://www.kyoto-namachocolat.com/

京都デニム

住所:京都府京都市下京区小稲荷町79-3-104
電話:075-352-1053
http://homay.jp/

昇苑くみひも

住所:京都府宇治市宇治妙薬146
電話:0744-23-2210
http://www.showen.co.jp/access.html

パスカル・ペニョ(レストラン)

住所:京都府京都市左京区下鴨宮崎町128-91
電話:075-781-2234
http://www.peignaud.com/
※日曜・月曜定休