映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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六十七候『芹乃ち栄う(せりすなわち さかう)

二十四節気の暦は小寒!

「芹乃ち栄う(せりすなわち さかう)」
セリは、この時期になると「競り合う」ように良く育ち、1月から4月にかけて旬を迎えます。この候は、そんなセリの様子を季節にしたものです。
今回の候では、七草粥、どんど焼き、鱈、正月遊び、鷹など、この季節の話題を楽しくお送りします。

春の七草
「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」このような短歌で覚えた方もいらっしゃるかと思います。1月7日は、「人日(じんじつ)の節句」です。「無病息災」を願い「人を大切にする」という、五節句の最初の節句です。この日の朝には、「七草粥」を食べる風習が、古くからあります。

1月1日の元旦から、1月7日までの1週間のことを「松の内(まつのうち)」といいます。松の内を終えると、役目を終えた門松やしめ縄を取り外し、1箇所に持ち寄って焼く「左義長(さぎちょう)」という行事が日本全国で行われます。また「どんど焼き」と呼ぶ地域もあるようです。その火で焼いた団子を食べ、1年の豊作を祈願します。

鱈は、鍋の材料には欠かせない冬の魚の代表ともいえます。特に「鱈ちり鍋」が美味しいですよね。
「ちり鍋」のちりは、新鮮な魚の切り身を鍋に入れるとちりちりにちぢれて縮む様子から名付けられたそうです。 鱈は、魚の中でも大食漢として知られ、口に入るものなら何でも食べてしまうと言われる程。そんな様子から、お腹いっぱい食べる事を「たらふく食う」と言うようになったそうです。

子どもの頃には、お正月といえば定番の遊戯が、いくつもありましたね。目隠しをして、輪郭を描いた紙の上に、目・鼻・口・耳などが描かれた紙を置いていく「福笑い」。男の子が独楽なら、女の子は「羽根つき」また、いろは47文字に対応した「いろはかるた」もありました。「犬も歩けば棒に当たる」など、ことわざを遊びながら覚える事が出来ました。

初夢にも登場する縁起物の「鷹」。また、才能や実力のある者は、軽々しくそれを見せつけたりしない事のたとえ、「能ある鷹は爪を隠す」は、鷹が獲物に気付かれないように、普段は鋭い爪を隠しておく事から、生まれたことわざですね。かの徳川家康も鷹狩を好んだというのは有名な話で、静岡にある家康の居城だった駿府城跡に造られた駿府公園には、家康が鷹を手に乗せ、鷹狩を楽しむ銅像が建てられています。